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バンガードのグローバルシフトから学ぶ資産配分戦略

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投資を始めたばかりの方、あるいは長年ポートフォリオを運用されている方も、「自分の国の株式にどれくらい投資すべきか」という疑問を一度は持たれたことがあるのではないでしょうか。

2026年1月、世界的な資産運用会社バンガードが、英国の投資家に大きな衝撃を与える発表を行いました。10年以上にわたって維持してきた自国市場への配分比重を大幅に引き下げるというのです。この決断は、日本を含む世界中の投資家にとって、資産配分を見直す重要なヒントを与えてくれます。

この記事では、バンガードの決断の背景にある考え方を紐解きながら、「ホームバイアス」と呼ばれる自国偏重投資の是非について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。専門的な内容も含まれますが、できるだけわかりやすくお伝えしますので、ぜひ最後までお付き合いください。

目次

バンガードが下した歴史的な決断とは

500億ポンド規模のファンドが動いた

英国のバンガードが運用する「ライフストラテジー」シリーズは、日本円にして約10兆円を超える資産を抱える人気ファンドです。2026年1月22日、このファンドに関する大きな方針転換が発表されました。

まず注目すべきは、コストの削減です。継続費用率と呼ばれる運用コストを0.22%から0.20%へと引き下げました。わずか0.02%の差に思えるかもしれませんが、10兆円規模のファンドでは投資家全体で年間約10億円以上のコスト削減となります。

しかし、より重要なのは資産配分の変更です。バンガードは株式ポートフォリオ内の英国株式の配分を25%から20%へ、債券ポートフォリオ内の英国債券の配分を35%から20%へと削減することを決めました。

英国市場はたった3%なのに20%も配分していた

ここで皆さんにお伝えしたいのが、英国株式市場の実際の大きさです。世界全体の株式市場の時価総額に占める英国の割合は、わずか 3〜3.5% 程度しかありません。それにもかかわらず、ライフストラテジーは 20% も配分していたのです。

これは、世界の平均的な配分に比べて約 6〜7倍 も英国に偏っていたことを意味します。この自国市場への偏りを「ホームバイアス」と呼びます。

変更後も20%という配分は残るため、依然として世界平均の約6倍の配分となりますが、以前の7倍超からは改善されることになります。さらに、バンガードは完全にホームバイアスを排除した「ライフストラテジー・グローバル」という新しいシリーズも立ち上げました。こちらでは英国株式は約3.4%、英国債券は約4.1%と、ほぼ世界の時価総額に沿った配分となっています。

なぜ今このタイミングなのか

実はこの決断、タイミングとしては非常に皮肉なものでした。過去10年間、英国市場は世界市場、特に米国市場に比べて大きく出遅れていました。

英国を代表する株価指数FTSE 100の過去10年間の年率リターンは約6%でした。一方、米国のS&P 500は年率約12%と、2倍のパフォーマンスを示していたのです。英国の世界市場シェアも、2008年には8%ほどあったものが、2026年には3%にまで縮小しました。

ところが、バンガードがこの変更を発表した直後の2025年、英国市場は大きく反転しました。FTSE 100は2025年に 21.5% も上昇し、2009年以来の最高のパフォーマンスを記録したのです。これはS&P 500を上回る結果でした。

「英国市場が10年間低迷した後にホームバイアスを削減し、市場が反転した直後に実行する」という、まさに 「最悪のタイミング」 に見える決断です。しかし、この事例こそが、市場のタイミングを計ることの難しさを物語っています。

ホームバイアスは本当に悪なのか

自国偏重投資の合理的な理由

ここまで読むと、「やはり自国市場に多く投資するのは間違いなのか」と思われるかもしれません。しかし、話はそう単純ではありません。実は、一定のホームバイアスには合理的な理由があることが、学術研究でも示されているのです。

インフレへの対応力

まず、自国の株式は自国のインフレ率とより高い相関を持つ傾向があります。つまり、物価が上がっても実質的な購買力を維持しやすいのです。海外の専門家の研究では、適度なホームバイアスが資産を取り崩す際の安全性を高めることが示されています。

地政学リスクからの保護

歴史を振り返ると、戦争や政治的混乱の際には、外国人投資家が不利な扱いを受けるケースが多く発生しています。資産の凍結、強制的な損失負担、さらには接収といったリスクです。自国資産であれば、こうした極端なリスクは相対的に低くなります。

通貨の問題

債券投資の場合、海外の債券に投資すると為替リスクが発生します。これをヘッジ(回避)しようとすると、金利差分のコストがかかります。結果的に、ヘッジ付きの海外債券投資は自国債券と似たようなリターンに落ち着くことが多いのです。

ホームバイアスの危険性も理解する

一方で、行き過ぎたホームバイアスには明確なリスクがあります。

集中リスクの恐怖

歴史上、自国市場が長期的に低迷したり、最悪の場合は崩壊したりした例は数多くあります。中国、ロシア、イタリアなど、過去には経済大国であった国でも、株式市場が壊滅的な打撃を受けた時期がありました。

成長機会の逃失

過去10年間で英国市場に集中投資していた投資家は、米国のハイテク企業の爆発的な成長を逃してしまいました。アップル、マイクロソフト、アマゾンといった企業の恩恵を受けられなかったのです。

産業構造の偏り

英国市場はエネルギー、金融、素材といったセクターに偏っており、テクノロジー企業がほとんどありません。これは将来の成長機会が限られることを意味します。日本市場も製造業中心で、グローバルなテクノロジー企業は少ないという類似の課題を抱えています。

バランスが大切という教訓

バンガードの決断は、「ホームバイアスをゼロにすべき」というメッセージではありません。むしろ、「過度なホームバイアスは長期的なリターンを損なう可能性がある」という警告なのです。

新しい配分でも英国株式に20%を維持しているという事実は、完全にホームバイアスを排除する必要はないというバンガードの考えを示しています。世界平均の3%に対して20%という配分は、依然として大きなオーバーウェイトですが、これが一つの 「合理的なバランスポイント」 なのかもしれません。

英国市場の状況から日本の投資家が学べること

英国が直面している構造的な課題

バンガードがホームバイアスを削減した背景には、英国市場特有の構造的な問題があります。これらは日本の投資家にとっても示唆に富む内容です。

Brexit後の市場縮小

EU離脱によって、英国企業の市場アクセスが制限され、国際投資家にとっての魅力が低下しました。かつてEU全体へのゲートウェイとして機能していた英国市場は、今や単なる一国の市場に過ぎなくなったのです。

企業の海外流出

多くの英国企業が、米国やEU市場での上場を選ぶようになりました。半導体設計大手のARMなど、主要企業が英国市場を離れています。これは市場の魅力をさらに低下させる悪循環を生んでいます。

通貨の安定性

世界的な危機が発生したとき、英国ポンドは売られる傾向があります。これは米ドル、スイスフラン、日本円といった「安全通貨」とは対照的です。むしろ、危機時には海外資産が為替差益によって自国通貨建てのリターンを押し上げることがあります。

政治と投資の対立

興味深いことに、バンガードの決断は英国政府の方針と真っ向から対立しています。

英国の財務大臣は、年金基金に英国資産への25%配分を求める圧力をかけており、「英国経済への資金還流」を名目に国内投資を推進しています。バンガードは英国政府の投資イニシアチブのパートナー企業でもあるにもかかわらず、実際の行動は政府の意向とは逆方向を向いています。

バンガードは公式には「英国へのコミットメントを維持し、将来に楽観的」と述べていますが、この矛盾は、政治的な配慮と投資家への責任のバランスの難しさを示しています。

米国市場への集中リスクも認識する

世界の時価総額に沿った配分を行うと、現在では 65%以上が米国株式 となります。これは別の形の集中リスクを生み出します。

米国市場は現在、PER(株価収益率)が約25倍と、歴史的に見ても高い水準にあります。英国のFTSE 100が14倍程度であることと比較すると、米国株式の割高感が目立ちます。

さらに、米国市場内でも、いわゆる「マグニフィセント7」と呼ばれる巨大テクノロジー企業への極度な集中が見られます。

2026年1月、金価格が史上初めて1オンス5,000ドルを突破しました。これは米ドルへの信認低下やインフレ懸念、米国財務省市場への不安を示すシグナルとも解釈できます。

米国の財政赤字は拡大を続けており、債務対GDP比は約120%に達しています。完全にグローバル分散したつもりでも、米国への集中という新たなリスクを抱える可能性があることを理解しておく必要があります。

日本の投資家が考えるべきこと

日本市場の位置づけを確認する

日本の株式市場は、世界全体の時価総額の約 5〜6% を占めています。英国の3%よりは大きいものの、決して大きな割合ではありません。

もし皆さんが日本株式に50%以上を配分しているとしたら、それは世界平均の 約10倍 のホームバイアスを持っていることになります。これは英国の投資家が従来持っていた偏りよりもさらに大きなものです。

日本市場も英国と同様に、製造業中心でグローバルなテクノロジー企業が少ないという産業構造の課題を抱えています。また、人口減少という長期的な逆風もあります。

通貨の観点から考える

日本円は、英国ポンドと異なり、危機時には「安全通貨」として買われる傾向があります。この点は日本の投資家にとって有利に働く可能性があります。

一方で、長期的な円安トレンドの中では、海外資産への投資が為替差益をもたらす可能性もあります。実際、過去20年間で円建てでの海外株式のリターンは、為替の影響で大きく押し上げられました。

コストと利便性のバランス

バンガードのライフストラテジーのようなマルチアセット・ファンドは、一つのファンドで株式と債券の配分、リバランス(資産配分の調整)を自動的に行ってくれる便利さがあります。

しかし、日本でも低コストのインデックスファンドが充実してきており、自分で複数のファンドを組み合わせることで、さらにコストを抑えることも可能です。

例えば、グローバル株式インデックスファンド、先進国債券インデックスファンド、そして一部を日本株式や日本債券に配分するといった組み合わせです。総コストを年0.2%以下に抑えることも十分可能になっています。

長期的な視点を維持する

バンガードの事例が示す最も重要な教訓は、「市場のタイミングを計ろうとしない」 ことの大切さです。

英国市場が10年間低迷したからといってホームバイアスを削減し、その直後に市場が反転するという皮肉な展開は、どんな専門家でも未来を正確に予測できないことを示しています。

大切なのは、自分の投資原則を定め、それに基づいて機械的に行動することです。短期的な市場の動きに一喜一憂せず、長期的な分散投資の原則を守り続けることが、結果的に最も良い成果をもたらします。

自分に合った配分を見つける

ホームバイアスをどの程度持つかは、個人の状況によって異なります。

  • 将来の支出が主に日本円で発生する方は、ある程度のホームバイアスが合理的かもしれません
  • 若い方で長期的な成長を重視する方は、よりグローバルな配分が適しているかもしれません
  • リスク許容度が低い方は、慣れ親しんだ日本市場への配分を高めることで心理的な安心感を得られるかもしれません

重要なのは、「正解」を探すことではなく、自分の状況と目標に合った配分を見つけ、それを長期的に維持することです。

まとめ:バンガードの決断から学ぶ長期投資の原則

バンガードのライフストラテジー変更は、単なる一つの投資商品の仕様変更ではありません。これは、グローバル投資の在り方について重要なメッセージを発しています。

まず、長期的な原則を守ることの重要性 です。短期的に英国市場がアウトパフォームしても、バンガードは分散投資の原則に基づいてホームバイアスを削減しました。目先の市場動向ではなく、長期的な合理性を優先したのです。

次に、コスト削減への継続的な取り組み です。わずか0.02%の削減でも、投資家に還元する姿勢を示しました。長期投資において、コストは確実にリターンを蝕む要因です。

そして、グローバル化は後戻りできない という現実です。国境を越えた資本移動は今後も加速していくでしょう。自国市場だけに固執することのリスクは、今後さらに高まる可能性があります。

一方で、バンガードが完全にホームバイアスをゼロにしなかったという事実も重要です。新しい配分でも20%という大きな英国配分を維持しているのは、適度なホームバイアスの合理性を認めているからでしょう。

日本の投資家の皆さんにとっても、この教訓は当てはまります。日本市場への過度な集中はリスクですが、完全に排除する必要もありません。大切なのは、自分の状況を理解し、合理的なバランスを見つけることです。

バンガードの創業者ジャック・ボーグル氏が唱えた「シンプルさ、低コスト、長期保有」という原則は、市場環境が変化しても色褪せることはありません。複雑な投資戦略や市場予測に頼るのではなく、基本的な原則を守り続けることが、長期的な成功への最も確実な道なのです。

皆さんのポートフォリオを今一度見直してみてください。過度なホームバイアスを抱えていませんか?それとも、自分の状況に合った合理的な配分ができていますか?バンガードの決断を一つのきっかけとして、ご自身の投資戦略を考え直してみる良い機会かもしれません。

投資は長い旅です。焦らず、慌てず、原則を守りながら、着実に歩みを進めていきましょう。

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