
Strategy社(旧MicroStrategy)Michael Saylor氏が語る2026年Bitcoin展望:投資家が知るべき3つのポイント

はじめに
Bitcoinへの投資を検討されている皆さん、こんにちは。最近、Bitcoin価格の動きが気になっている方も多いのではないでしょうか。2025年11月、Bitcoinは一時的な下落局面を迎え、投資家の間で「今後どうなるのか」という不安の声が高まっています。
そんな中、世界最大級のBitcoin保有企業として知られるStrategy社(旧MicroStrategy、ティッカー: MSTR )の創業者兼会長Michael Saylor氏が、CNBCのインタビューで2026年の見通しと同社の戦略を語りました。この記事では、そのインタビュー内容を詳しく分析し、投資家の皆さんが知っておくべき重要なポイントを分かりやすくお伝えします。
Strategy社の株価は現在177ドル台と、7月の高値から約61%も下落しています。しかし、Saylor氏は依然として強気の姿勢を崩していません。その根拠は何なのか、そして私たち投資家はどう判断すべきなのか。一緒に見ていきましょう。
Michael Saylor氏が語る2026年Bitcoin見通し:4つの重要ポイント
2026年も強気相場は続くのか?銀行業界の動きに注目
Saylor氏は、2026年のBitcoin市場について明確に 「強気継続」 の見通しを示しています。その最大の理由は、銀行業界によるBitcoin受け入れの拡大です。
具体的には、米国の大手銀行の約半数が、iShares Bitcoin Trust ETF( IBIT )を担保とした融資を開始しているとのこと。さらに、Charles SchwabやCitiといった大手金融機関が、2026年上半期にBitcoinのカストディ(保管)サービスと融資業務を開始する予定だと語っています。
これは何を意味するのでしょうか。従来、Bitcoinは「投機的な資産」として金融業界から距離を置かれてきました。しかし、銀行が正式にBitcoinを担保として認め、融資を行うということは、Bitcoinが 「正式な金融資産」 として認知され始めているということなのです。
「4年サイクル」は終わった?市場構造の大きな変化
Bitcoin投資をされている方なら、「半減期」という言葉を聞いたことがあるでしょう。約4年に一度、Bitcoinの新規発行量が半分になるイベントで、これまでは半減期の後に大きな価格上昇が起こるパターンが見られました。
しかし、Saylor氏は 「4年サイクル論はもう終わった」 と断言しています。その理由は、市場規模の拡大です。
現在、半減期による供給減少は1日あたり約225BTC、金額にして約2,250万ドル(Bitcoin価格10万ドルとして)です。一方、Bitcoin市場の1日あたりの取引高は500億ドルから1,000億ドルにも達します。つまり、半減期による供給減少の影響は、市場全体から見れば微々たるものになってしまったのです。
代わりに、価格を動かす主要因は 「構造的要因」 に移行しています。具体的には、規制環境の整備、機関投資家の参入、ETFへの資金流入などです。これは投資家にとって重要な変化です。過去のパターンに依存した投資戦略は、もはや通用しなくなる可能性があるということなのです。
Strategy社の進化:単なるBitcoin保有企業から「デジタルクレジット」事業へ
Strategy社と言えば、大量のBitcoinを保有していることで有名ですが、Saylor氏によれば同社はすでに次のステージに進んでいるとのこと。それが 「デジタルクレジット発行」 事業です。
簡単に言うと、Strategy社は保有するBitcoinを担保として、社債などの金融商品( 「デジタルクレジット」 )を発行しています。すでに約80億ドル相当を発行済みで、世界最大のデジタルクレジット発行体になっているそうです。
この商品の魅力は、一般的なマネーマーケット金利が4%程度のところ、10%程度の利回りを提供できる点にあります。つまり、通常の預金や債券よりも高い収益を求める投資家にとって、魅力的な選択肢となっているわけです。
Strategy社にとっても、Bitcoin価格の上昇による含み益だけでなく、クレジット発行による利鞘という 「二重の収益構造」 を確立できるメリットがあります。ただし、Bitcoin価格が大きく下落した場合、担保価値の毀損や社債償還リスクが高まる点には注意が必要です。
デジタル資産トレジャリー企業(DATs)の急増:競争は激化するのか
Strategy社の成功を見て、同様の戦略を取る企業が急増しています。いわゆる 「デジタル資産トレジャリー企業(DATs)」 と呼ばれる企業群で、2024年初めには60社程度だったのが、2025年末には200社を超える見込みとのこと。日本のMetaPlanetや米国のStrive等が代表例です。
これについてSaylor氏は「歓迎する。すべての企業にとってBitcoin保有は有益だ」とポジティブに捉えています。しかし、投資家の視点で見ると、いくつか注意すべき点があります。
DATs急増により、単に「Bitcoinを保有している」というだけでは企業の差別化が難しくなってきています。また、デジタルクレジット市場への新規参入が増えれば、競争激化により利鞘が縮小する可能性も考えられます。
ただし、Strategy社は圧倒的なBitcoin保有量と先行者としての優位性を持っています。2020年に初めてBitcoinを購入(21,000BTC、約2億5,000万ドル相当)して以来、一貫して買い増しを続けており、この点での競争優位性は当面維持されるでしょう。
Strategy社の現状分析:株価と財務指標から見る投資価値
株価は大幅調整中:今は買い時か、それとも待つべきか
Strategy社の株価動向を見てみましょう。2025年11月29日時点の終値は 177.18ドル 、時間外取引では178.40ドル(+0.69%)となっています。
一見すると安定しているように見えますが、長期的な視点で見ると大きく調整していることが分かります。52週高値は2025年7月16日につけた 457.22ドル で、現在の株価はそこから約61%も下落しています。また、52週安値は2025年11月24日の166.01ドルで、つい最近まで下落が続いていたことが分かります。
パフォーマンスを見ると、年初来(YTD)で マイナス38.82% 、1年間では マイナス54.27% と、かなり厳しい状況です。Bitcoin価格自体は2025年に大きく上昇した時期もあったことを考えると、Strategy社株はBitcoin以上に大きく調整していることになります。
財務指標は意外にも健全?注目すべき数字
では、Strategy社の財務状況はどうなっているのでしょうか。いくつかの重要な指標を見てみましょう。
時価総額は約 522億8,600万ドル と、依然として大型株の部類に入ります。注目すべきは PER(株価収益率) で、わずか 8.24倍 という水準です。一般的に、成長企業のPERは15倍から30倍程度が標準的ですので、数字だけ見ればかなり割安に見えます。
直近12ヶ月のEPS(1株当たり利益)は 21.51ドル 、純利益率は驚異の 1,667.09% という数字が出ています。ただし、この異常に高い利益率は、保有するBitcoinの含み益を計上していることによるもので、通常の事業会社とは性質が異なる点に注意が必要です。
負債比率(Debt/Equity)は 14.06% と適正水準にあり、過度な借入に依存しているわけではありません。これは、Bitcoin投資を主に株式発行や転換社債で賄っていることを示しています。
Bitcoin価格との連動性:最大のリスク要因
Strategy社株を考える上で絶対に忘れてはいけないのが、 Bitcoin価格との強い連動性 です。同社のビジネスモデルは完全にBitcoinに依存しているため、Bitcoin価格が下落すれば株価も大きく下落します。
実際、2025年11月のBitcoin価格は90,544.50ドル(マイナス0.74%)と調整局面にあり、これがStrategy社株の下落にも影響していると考えられます。
この高いボラティリティ(価格変動性)は、投資家にとって大きなリスクです。Bitcoin現物やETFへの投資と比べても、Strategy社株はレバレッジがかかったような値動きをすることが多く、リスク許容度の高い投資家向けと言えるでしょう。
2026年の投資シナリオ:3つの可能性とそれぞれの戦略
シナリオ1:強気継続シナリオ(可能性40%)
まず考えられるのが、Saylor氏の見通し通り強気相場が継続するシナリオです。
前提条件としては以下のようなことが考えられます:
- 米国政権が親暗号資産政策を継続する
- 銀行業界のBitcoin融資が順調に拡大する
- 「Clarity Act」など暗号資産に関する規制が整備され、法的不透明感が解消される
このシナリオが実現した場合、Bitcoin価格は 12万ドルから15万ドル 程度まで上昇する可能性があります。Strategy社の株価は 300ドルから400ドル (現在から69%~126%上昇)まで回復するかもしれません。
このシナリオに備えた投資戦略としては:
- Strategy社株(MSTR)への直接投資を検討する
- リスク分散のため、Bitcoin ETF(IBITなど)との組み合わせも考慮する
- より積極的な投資家は、2026年後半満期のコールオプション(買う権利)を活用する
シナリオ2:調整継続シナリオ(可能性35%)
次に考えられるのが、現在の調整局面がしばらく続くシナリオです。
前提条件としては:
- AI関連投資への資金シフトが続き、暗号資産から資金が流出する
- 規制整備が予想より遅れ、不透明感が残る
- マクロ経済の不透明感(金利動向、貿易関税問題など)が投資家心理を冷やす
このシナリオでは、Bitcoin価格は 7万ドルから9万ドル のレンジで推移し、Strategy社株価も 120ドルから180ドル (現在からマイナス32%~プラス2%)程度と、大きな動きのない展開が予想されます。
このシナリオに備えた投資戦略としては:
- 現金比率を高めに保ち、明確な上昇トレンドが確認できるまで待つ
- Strategy社株ではなく、Bitcoin現物やETFへの投資で様子を見る
- すでにStrategy社株を保有している場合は、プット・オプション(売る権利)でヘッジを検討する
シナリオ3:規制逆風シナリオ(可能性25%)
最後に考えられるのが、規制環境が悪化するシナリオです。確率は低いものの、起きた場合の影響は大きいため、頭に入れておく必要があります。
前提条件としては:
- 政権交代や政策転換により、暗号資産に対する規制が強化される
- デジタルクレジット事業に対する規制が導入される
- 銀行によるBitcoin融資が中止される
このシナリオが現実となった場合、Bitcoin価格は 5万ドルから7万ドル まで下落し、Strategy社株価も 80ドルから120ドル (現在からマイナス55%~マイナス32%)と大幅下落する可能性があります。
このシナリオに備えた投資戦略としては:
- Strategy社株の保有比率を下げる(アンダーウェイト)
- Bitcoin現物保有に切り替える(企業リスクを回避)
- ゴールドなど他の資産クラスへの分散を強化する
見落としやすい重要リスク:Stablecoinとの競争
Kathy Wood氏の警告:BitcoinはStablecoinに負けるのか
ここで、多くの投資家が見落としがちな重要なリスクについてお話しします。それは Stablecoin(ステーブルコイン) との競争です。
Stablecoinとは、米ドルなどの法定通貨に価値が連動した暗号資産のことで、USDCやTether(USDT)などが代表例です。価格が安定しているため、決済手段として使いやすいという特徴があります。
ARK Investの著名投資家Kathy Wood氏は、「StablecoinがBitcoinの輝きを奪っている」と警告しています。つまり、決済市場でStablecoinが地位を確立することで、Bitcoinが「デジタル通貨」としての役割を果たせなくなり、資本資産化(価値の保存手段としての地位確立)が妨げられる可能性があるというのです。
これに対してSaylor氏は、「BitcoinとStablecoinは別の市場だ。Bitcoinは資本(キャピタル)、Stablecoinは通貨(カレンシー)であり、競合しない」と反論しています。さらに、「Stablecoinの普及は米ドルの勝利であり、Bitcoin価格には中立的だ」とも述べています。
投資家はどう考えるべきか
確かに、Stablecoin市場の拡大は事実です。Circle社(USDCの発行元)のIPO成功などを見ても、金融市場での存在感は高まっています。
しかし、Saylor氏の「デジタルゴールド」論、つまりBitcoinは金のような価値保存手段であるという考え方も説得力があります。実際、金は決済手段としてはほとんど使われていませんが、資産としての価値は揺るぎません。
投資家としては、この議論の決着がすぐにつくわけではないことを理解しておくことが重要です。長期的には、Bitcoinが「デジタルゴールド」として確固たる地位を築けるかどうかが、価格を左右する要因になるでしょう。
投資判断のポイント:Strategy社株は買いか、待ちか
総合的な投資判断:条件付きで「やや買い」
さて、ここまでの分析を踏まえて、Strategy社株(MSTR)への投資判断を考えてみましょう。
総合的には、 「中立からやや買い(条件付き)」 という評価になります。完全な強気推奨ではなく、いくつかの条件を満たした場合にのみ投資を検討すべきということです。
買い推奨となる条件:
- Bitcoin価格が95,000ドルを安定的に上回る状態が続く
- 2026年第1四半期(Q1)の決算で、デジタルクレジット事業の収益性が確認できる
- ポートフォリオ全体の10%以下に投資を限定する(高ボラティリティのため)
逆に、以下の条件に当てはまる場合は、売却や投資見送りを検討すべきです。
売却・回避すべき条件:
- Bitcoin価格が75,000ドルを下回る
- デジタルクレジット事業に対する規制強化の動きが出る
- 主要銀行がBitcoin融資から撤退する
ポートフォリオ配分の具体例
暗号資産関連に投資する資金を全体の20%と想定した場合、以下のような配分が考えられます。
推奨配分例:
- Bitcoin現物またはETF:10%(コア・ホールディング、最も安定的なポジション)
- Strategy社株(MSTR):5%(攻撃的なポジション、高リターン狙い)
- その他のDATs・暗号資産関連株:3%(分散投資)
- 現金(押し目買い待機資金):2%(チャンスに備える)
この配分であれば、Bitcoin市場全体の成長を取り込みつつ、Strategy社特有のリスクを限定できます。もし、より保守的な投資を好むなら、Strategy社株の比重を下げて、Bitcoin ETFの比重を上げるとよいでしょう。
今後注目すべきイベント
投資判断を行う上で、以下のイベントには特に注意を払ってください。
重要な確認ポイント:
- Strategy社のQ4 2025決算 (2026年2月3日予定):デジタルクレジット事業の詳細が明らかになる
- 米国の暗号資産関連法案の進捗 :特に「Clarity Act」などの規制整備
- Bitcoin価格の80,000ドルライン :これを割り込んだ場合は、ポートフォリオの見直しが必要
これらのイベントは、上記の3つのシナリオのうちどれが現実になるかを判断する重要な材料となります。
まとめ:投資家が今知っておくべき3つのこと
この記事では、Michael Saylor氏のインタビューをもとに、Strategy社とBitcoin市場の2026年展望について詳しく見てきました。最後に、投資家の皆さんが押さえておくべき3つの重要ポイントをまとめます。
ポイント1:Bitcoin市場は「制度化フェーズ」に突入している
従来の4年サイクル(半減期による価格上昇パターン)は、もはや主要な価格決定要因ではなくなりつつあります。代わりに、銀行の参入、規制の整備、ETFへの資金流入といった 「構造的要因」 が市場を動かす時代になっています。
これは投資家にとって何を意味するのでしょうか。過去のパターンに依存した投資手法は通用しなくなる可能性がある一方で、より予測可能で安定した市場環境が整いつつあるとも言えます。短期的な投機ではなく、長期的な視点での投資戦略がより重要になってくるでしょう。
ポイント2:Strategy社は「Bitcoin保有企業」から「Bitcoin担保金融会社」へ進化中
Strategy社の戦略は、単にBitcoinを買って保有するだけのものではありません。保有するBitcoinを担保に「デジタルクレジット」を発行し、利鞘を稼ぐという金融ビジネスへと進化しています。
このビジネスモデルが成功すれば、Bitcoin価格上昇と利鞘収益の二重の収益源を持つことになり、高い収益性が期待できます。一方で、Bitcoin価格が大きく下落した場合、担保価値の毀損や社債償還リスクという、Bitcoin現物保有以上のリスクを抱えることにもなります。
Strategy社への投資は、単なるBitcoin投資ではなく、この新しいビジネスモデルへの投資だということを理解しておく必要があります。
ポイント3:2026年は「規制」が最大の変動要因になる
2026年のBitcoin市場を左右する最大の要因は、おそらく 「規制環境」 でしょう。米国で親暗号資産政策が継続され、「Clarity Act」などの法整備が進めば、銀行の参入が加速し、市場は大きく成長する可能性があります。
逆に、政策転換や規制強化があれば、市場は大きく冷え込むでしょう。特に、Strategy社が展開するデジタルクレジット事業は、新しいビジネスモデルであるがゆえに、規制の影響を受けやすい可能性があります。
投資家としては、米国の政治・規制動向を注意深く見守り、状況に応じて柔軟にポジションを調整することが求められます。
最後に:冷静な判断と適切なリスク管理を
Michael Saylor氏の強気な見通しには説得力がある一方で、Strategy社株やBitcoin投資には依然として大きなリスクが伴います。特に、価格変動の大きさ(ボラティリティ)は、多くの投資家にとって心理的にも財務的にも大きな負担となります。
投資を検討される際は、以下の点を必ず守ってください:
- 失っても生活に支障のない余裕資金だけで投資する
- ポートフォリオ全体のバランスを考え、過度な集中投資は避ける
- 定期的に投資状況を見直し、当初の計画から大きくずれていないか確認する
- 感情的な判断を避け、事実とデータに基づいて冷静に判断する
暗号資産市場は、まだまだ発展途上の市場です。大きなチャンスがある一方で、予期せぬリスクも潜んでいます。この記事が、皆さんの投資判断の一助となれば幸いです。
免責事項: 本記事は公開情報に基づく分析であり、特定の投資を推奨するものではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。暗号資産や個別株への投資には元本割れのリスクがあります。
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