
2025年3月10日(月)の日本株概況と騰落率ランキング

2025年3月10日(月)の日本株概況
日経平均株価は前週末比141円高の3万7028円と反発し、心理的節目とされる3万7000円台を回復した。東証株価指数(TOPIX)は7.83ポイント安の2700.76と小幅続落した一方、東証グロース市場指数は9.15ポイント高の823.52と上昇して取引を終えた。
前週末の米国市場で主要株価指数が揃って上昇したことから、東京市場でも投資家心理が改善した。米2月雇用統計は市場予想を下回る弱い内容だったものの、パウエルFRB議長が景気に強気姿勢を示したことで米株式相場は後半持ち直した。この流れを受け、日経平均は朝方から買いが先行した。一時マイナス圏に沈む場面もあったが、押し目買いに支えられて下げ渋った。取引終盤には半導体関連株への買い戻しが指数を押し上げた。一方、最近まで物色の中心だった防衛関連株は軟調で、東証プライム市場では値下がり銘柄数が928と値上がり656を上回り、下落銘柄が全体の過半を占めた。
もっとも、指数の戻りは先週末(7日)に日経平均が800円以上下落した割に限定的で、市場全体の地合いはなお力強さを欠く。米国景気減速への警戒感や新政権下での通商政策を巡る不透明要因が依然くすぶっている。とりわけトランプ米大統領による対中関係や対露姿勢の変化に伴う地政学リスクの高まりは、中長期的な市場の不安材料だ。今週は米国で2月消費者物価指数(CPI)の発表や国内でメジャーSQ算出を控えており、重要イベント通過までは神経質な展開が続く可能性がある。総じて、当面は慎重なスタンスを崩すべきではない。
2025年3月10日(月)の値上がり率ランキング(上位10銘柄)
1位
3672 オルトプラス
前日比 +22.4%
特段の新材料は確認されていないが、短期資金による投機的な買いが集中した。ソーシャルゲーム開発を主力とする同社株は物色人気に支えられ、大幅上昇した。
2位
5616 雨風太陽
前日比 +21.8%(ストップ高)
目立った材料はないものの、産直アプリ「ポケットマルシェ」を運営する農業関連銘柄として思惑買いが集まった。農産物需要増への期待や個人投資家の資金流入が重なり、株価はストップ高となった。
3位
9384 内外トランスライン
前日比 +20.0%(ストップ高)
投資ファンドのIAパートナーズが同社株に対する株式公開買付(TOB)を表明したことが材料視された。買収提案を受けたとの報を受け投資家の買いが殺到し、株価はストップ高まで買い進まれた。
4位
4477 BASE
前日比 +18.2%
メルコホールディングスの社長が同社株を5%超取得し大株主として浮上したことが判明。経営関与や提携への思惑を呼び、買いを誘発して株価は急伸した。
5位
7527 システムソフト
前日比 +17.1%
人工知能(AI)関連銘柄としてテーマ資金の物色対象となった。生成AIブームの中、明確な個別材料がなくとも関連株として短期資金の標的となり、株価は急騰した。
6位
4417 グローバルセキュリティエキスパート
前日比 +15.0%(ストップ高)
サイバーセキュリティ関連銘柄の一角。政府や企業でセキュリティ強化需要が高まるとの見方からテーマ人気が上昇し、投資資金が流入した。株価はストップ高まで駆け上がった。
7位
2353 日本駐車場開発
前日比 +13.4%
2025年7月期の業績予想および配当予想の上方修正を発表。営業利益見通しの増額と増配期待が好感され、業績評価の見直しから株価は急騰した。
8位
324A ブッキングリゾート
前日比 +12.7%
宿泊施設の集客支援や直営リゾート運営を手掛ける新規上場銘柄。インバウンド需要の取り込みやグランピング事業の成長期待が高まり、物色人気で株価は大幅高となった。
9位
4222 児玉化学工業
前日比 +12.6%
自動車部品や住宅設備向け樹脂製品を製造する同社は、直近の決算でも増収増益を達成するなど業績改善傾向が続いている。低PBRの割安株として見直し買いが入り、株価は急騰した。
10位
3747 インタートレード
前日比 +12.2%
米Blockchains社との業務提携を発表。Web3インフラ構築での協業により事業拡大を図る方針が材料視され、将来展開への期待から投資資金が流入した。株価は急伸した。
2025年3月10日(月)の値下がり率ランキング(上位10銘柄)
1位
2338 クオンタムソリューションズ
前日比 –17.4%(ストップ安)
AI関連の低位株として投機的な買いが続いていた反動で売り優勢となった。目立った新材料がない中、短期資金の循環物色が一巡すると利益確定売りが膨らみ、株価はストップ安に沈んだ。
2位
3753 フライトソリューションズ
前日比 –15.1%
決算発表通過による材料出尽くし感から売りが嵩んだ。同社株は業績期待で急騰していたが、一転して利益確定売りに押され、大幅反落した。
3位
6063 日本エマージェンシーアシスタンス
前日比 –13.6%
前週発表の2024年12月期決算で大幅な減収減益となり、失望売りを浴びた。新型コロナ特需の剥落で業績悪化が鮮明となり、先行き不透明感も嫌気されて株価は急落した。
4位
3350 メタプラネット
前日比 –13.4%
ビットコインを財務資産とする仮想通貨関連株。暗号資産市場の調整や高PER銘柄への警戒感から売りが優勢となり、直近の急騰に対する反動安で大幅下落となった。
5位
3825 リミックスポイント
前日比 –12.5%
暗号資産交換事業を手掛ける仮想通貨関連株。ビットコイン相場の一服や関連株物色の一巡感から利益確定売りがかさみ、株価は急落した。
6位
276A ククレブ・アドバイザーズ
前日比 –9.5%
同社株に課されていた信用取引の増担保規制が解除された。規制下での買い支え期待が剥落し、需給緩和への警戒から売りが優勢に転じた。過熱感の後退とともに株価は大幅安となった。
7位
6721 ウインテスト
前日比 –9.0%
半導体製造装置関連の小型株。半導体セクター全体の物色一巡に伴い、同社株にも利益確定売りが波及した。直近の上昇分を吐き出す形で株価は急落した。
8位
6564 ミダックホールディングス
前日比 –8.9%
好材料難の中で高値警戒感が広がった。産廃処理など環境関連事業を展開し業績は堅調だが、株価が年初来高値圏に達していたことで目先の利食い売りが優勢となり、大きく値を下げた。
9位
3133 海帆
前日比 –8.7%
居酒屋チェーン運営を主力とし、再生エネルギーや医療事業にも取り組む小型株。先週まで急騰していた反動で一転売りに押された。短期筋の手仕舞い売りが集中し、株価は急落した。
10位
7453 良品計画
前日比 –8.3%
中国市場のデフレ懸念や消費減速リスクが意識された。中国事業比率が高い銘柄として警戒売りが出ており、前週までの上昇局面から一転して利益確定売りが優勢となり、大幅安となった
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