
2025年2月28日(金)の日本株概況と騰落率ランキング

日本株市場概況
本日(2月28日)の東京株式市場は大幅安。日経平均株価は前日比1100円安の3万7155円と急落し、TOPIXも1.98%安の2682.09で取引を終えた。米国市場でエヌビディアの決算発表後、材料出尽くしによる失望売りが続き、半導体関連株が軒並み急落したことが影響した。また、トランプ前大統領が中国製品への関税を強化する可能性を示唆したことも、投資家のリスク回避姿勢を強めた。
日本市場では、特に半導体関連株への売りが顕著で、東京エレクトロン、アドバンテスト、レーザーテックなどが軒並み大幅安。日経平均は一時1400円超の下落となる場面もあり、投資家の警戒感が強まった。東証プライム市場の売買代金は6兆2100億円と大きく膨らみ、市場参加者の動揺を反映している。
一方、国内のインフレ動向にも注目が集まった。東京都区部の消費者物価指数(CPI)は前年比+2.2%と高止まりし、日銀の政策修正への警戒感が継続している。加えて、FRBが注視する1月PCEデフレーターの発表を今夜に控え、米国の金融政策見通しが不透明な中、投資家は慎重な姿勢を崩せずにいる。FRBが早期利下げを否定する可能性もあり、今後の米長期金利の動向次第では、日本株市場にもさらなる影響を及ぼす可能性がある。
個別銘柄では、ソフトバンクグループが米ナスダック市場の下落を受けて大幅安となった。一方で、証券会社の目標株価引き上げを材料にカバーが急騰し、AI関連のフジクラは利食い売りに押された。日経平均が大きく崩れる中でも、ディフェンシブ株の一角には買いが入り、電力・ガスや鉱業セクターは堅調な動きを見せた。
また、為替市場では円が一時150円台に突入。東京都区部CPIの鈍化を受けて円安方向に振れたが、株安局面ではリスク回避の円買いも入り、方向感に欠ける展開が続いた。海外投資家の動きも注視される中、米市場の流れを引き継ぎやすい日本株市場は、今後もボラティリティの高い相場が続く可能性がある。
来週以降は、PCEデフレーターの結果次第で米市場の方向感が決まり、それに伴う日本株の動きが注目される。特に、米金利の上昇リスクが継続するようであれば、今後もリスクオフの流れが続く可能性が高い。半導体関連銘柄の動向を引き続き注視しつつ、政策面での日銀の発言にも注意を払う必要があるだろう。
【株価上昇率トップ10】
1位
5541 大平洋金属
前日比 +25.92% ストップ高
ニッケル市況の好転や業績改善期待を背景に買いが殺到。資源価格の上昇がフェロニッケル大手の同社にとって追い風となり、投資家の見直し買いが強まった。
2位
7084 スマイルHD
前日比 +22.54%
上場後初の年間95円配当方針を発表。高配当利回りに注目した買いが集中し、配当実施による株主還元強化を評価する動きが広がった。
3位
9425 ReYuu Japan
前日比 +19.66% ストップ高
新たな大口株主の取得報道が思惑買いを誘発。市場外取引での株式取得が伝えられたことを受け、需給の引き締まりを期待した買いが膨らんだ。
4位
6085 アーキテクツ
前日比 +19.34% ストップ高
明確な材料は確認されないものの、値動きの軽さから短期資金が集中。小型株特有の投機的な資金流入がストップ高を引き起こした。
5位
3195 ジェネレーションパス
前日比 +15.38% ストップ高
株主優待の新設を発表し、長期投資家の関心を集めた。優待新設による株主還元策が評価され、買いが継続。前日に続きストップ高まで上昇。
6位
3628 データホライゾン
前日比 +14.84% ストップ高
後発医薬品(ジェネリック薬)の普及拡大に関する政府の方針を受け、医療データサービスを手掛ける同社が業績拡大期待から急騰。
7位
7093 アディッシュ
前日比 +14.79% ストップ高
韓国AI企業とのパートナーシップ締結を発表。AI領域での業務提携が今後の成長余地を広げるとの見方から、買いが殺到した。
8位
9070 トナミHD
前日比 +14.56% ストップ高
日本郵便によるTOB(株式公開買付)開始が発表され、買付価格とのサヤ寄せを狙う買いが集中。TOB発表を受けて連日のストップ高となった。
9位
8918 ランド
前日比 +14.29%
特段の材料はないが、低位株として短期資金が集中。流動性の高い「ボロ株」として物色対象となり、出来高増加とともに急騰した。
10位
9246 プロジェクトHD
前日比 +13.22%
直近の黒字転換や低PERが投資家の注目を集め、見直し買いが進行。DX関連事業の成長期待も追い風となり、株価は大幅に上昇した。
上昇率TOP50をみると、時価総額が小さく3桁の株価が散見されます。
一時的な値幅どりの売買が目立ち、この辺りからも地合いの悪さがうかがえますね。
【株価下落率トップ10】
1位
5535 ミガロHD
前日比 -21.96%
1株→2株の株式分割の権利落ち日となり、材料出尽くし感から売りが優勢。前日までの急騰の反動に加え、増担保規制の影響で売りが拡大した。
2位
3350 メタプラネット
前日比 -17.5% ストップ安
発行可能株式総数の大幅引き上げを定時株主総会に付議すると発表。将来的な希薄化懸念が高まり、売りが殺到。ストップ安まで下落した。
3位
4575 CANBAS
前日比 -16.0%
抗がん剤開発を手掛ける同社株は、この日も売り優勢。前日までの上昇の反動に加え、バイオ関連銘柄全体の地合い悪化が影響し、続落した。
4位
3997 トレードワークス
前日比 -14.8%
明確な悪材料はないものの、情報セキュリティ関連の小型株として市場全体のリスクオフの波を受けた。半導体株急落の影響もあり、投資家心理が悪化。
5位
3559 ピーバンドットコム
前日比 -12.8%
基板EC「P板.com」運営の同社は、決算発表後に減収減益を嫌気する売りが続き、年初来安値を更新。相場全体の急落も重なり、見切り売りが加速した。
6位
324A ブッキングリゾート
前日比 -11.1%
2月21日に東証グロース市場へ新規上場。公開価格を大きく上回る水準で推移していたが、短期資金の流出により、大きく売られた。
7位
4889 レナサイエンス
前日比 -10.4%
前日までのAI関連の思惑買いが一巡し、利益確定売りが優勢に。材料が乏しくなったことで短期資金の撤退が加速し、大幅安となった。
8位
6146 ディスコ
前日比 -10.3%
半導体製造装置大手。エヌビディア株の急落を受けて、関連銘柄が投げ売りされる展開となり、終日戻りの乏しい状況で急落した。
9位
303A visumo
前日比 -8.9%
2024年12月に上場したばかりのSNSマーケティング支援企業。上場来高値を更新後、利益確定売りが増加し、需給の影響で大きく値を下げた。
10位
6857 アドバンテスト
前日比 -8.8%
半導体テスター大手。米国の半導体株急落を受け、関連銘柄が総じて軟調。市場全体のリスクオフムードが強まり、大幅安となった。
今日もお疲れ様でした!
来週も頑張りましょう♪
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