
マーケット最大のリスクシナリオ!?マールアラーゴ合意とは?まとめ

本日の日経新聞でも取り上げられていた、
「世界貿易システム再構築のユーザーズガイド(A User’s Guide to Restructuring the Global Trading System)」
このレポートは、2024年11月に米ヘッジファンドのハドソン・ベイ・キャピタルが公表したものです。
筆者は、トランプ政権の大統領経済諮問委員会(CEA)の委員長に指名されたスティーブン・ミラン氏で、「ドルは世界の外貨準備としての需要から割高になり、米国内の製造業や貿易可能財の生産業者がそのコストを負担している」との指摘はトランプ氏の主張と重なる内容です。
日経新聞の記事では、同レポートにある「マールアラーゴ合意(Mar-a-Lago Accord)」という言葉がいま、世界の外為市場の流行語になっているとのこと。
では、
マールアラーゴ合意とは何?
株価や為替、経済への影響はどうなるのか?
というのが気になるところですよね。
※結論が気になる方は、下の方にスクロールして途中を飛ばしてください。
マールアラーゴ合意の背景と概念
- マールアラーゴ合意という名称は、過去の有名な通貨協定(プラザ合意やルーブル合意など)が交渉された場所にちなんで名付けられた仮想的な協定です
- トランプ政権下で実現する可能性のある通貨政策に対するアプローチを指します
マールアラーゴ合意の主要なポイント
マールアラーゴ合意(Mar-a-Lago Accord)は、アメリカの通貨政策と国際的な経済関係を再構築するための提案された枠組みであり、特にアメリカの安全保障と経済政策を結びつけることを目的としています。この合意は、アメリカが提供する安全保障の枠組みと、国際的な金融システムにおけるドルの役割を強化することを目指しています。

マールアラーゴ合意の主な要素(ポザールが提案)
- 安全保障と金融の結合:
- 「安全保障ゾーンは公共財であり、内部にいる国々は米国債を購入することでそれに資金を提供しなければならない」
- 「安全保障ゾーンは資本財であり、短期債券ではなく100年債券によって最も適切に資金提供される」
- 「安全保障ゾーンには有刺鉄線がある:短期債を長期債に交換しない限り、関税があなたを締め出す」
目的と仕組み
- 各国の通貨を強化するために、準備管理者はドルを売却する必要がある
- 自国通貨が上昇すると、米国は競争力の優位性を得て、貿易セクターと製造業セクターを支援
- 潜在的な望ましくない金融的結果(金利上昇など)を緩和するために、残りの準備保有資産の長期化が併せて行われる
- 準備管理者による長期債への需要増加は、通貨調整による米ドル建て固定収益の売却があっても金利を抑制する助けとなる
実現可能性と課題
- 欧州や中国は現状では自国通貨を強化する協調的な動きに同意する可能性は低い
- 米国による関税の実施が交渉の梃子となり、関税の軽減と引き換えに通貨協定への同意を促す可能性がある
- 1980年代のプラザ合意時と比較して、現在の米国債務の対GDP比は120%を超え(当時は約40%)、債務市場への影響に対する懸念が大きい
- 準備通貨の大部分は現在、欧州ではなく中東やアジアの国々が保有しており、協定実現にはより複雑な外交が必要
期待される効果
- 両国間の通貨調整と長期債への移行によって、ドルと長期金利が同時に下落する可能性がある
- 米国の長期財政見通しの改善
- 防衛傘と準備資産提供の関連性の強化
- 安全保障と貿易政策のより明確な区分け
- 米国の負担軽減と、他国による防衛・準備資産提供への負担分担の増加
この協定が実現すれば、ブレトンウッズ体制やその終焉に匹敵する規模の世界市場における変化をもたらす可能性があるとしている。
結局、何がしたいのかという核心的な目標は、
米国の経済的負担を軽減しながら国際通貨・貿易システムを再構築することです。
- ドルの過大評価を是正し、米国製品の国際競争力を高める
- 世界の需要の一部を米国に再配分する
- 米国が提供する「世界の安全保障傘」と「準備通貨システム」の費用を、その恩恵を受ける国々にも負担させる
- 外国政府が保有する短期米国債を超長期債(100年債など)に転換させ、米国の資金調達リスクを軽減する
- 米国の安全保障傘の恩恵を受ける国々には、経済面でも協力を求める
ドル安是正して、経済力を高める、
製造業を復活させたい
国債は100年債などの長期債にしたい
ざっくり言うとこんな感じです。
現在のマーケット考察
米国は今年、市場流通の米国債の3分の1(9.2兆ドル)が償還を迎えるが、これは過去に低金利で発行されたものが多い。
↓
これから新たに借り換えるとなると、利払いコストの大幅増は避けられない。
↓
このコスト増の回避のために、金利を下げる戦略なのではないか
一時的な株安になったとしても、
トランプ氏が在任中には、つまり、中長期的には、株価は再度高値を取ってくるのではないかとみています。
ですので、焦らず、目先や、アクセス取りのための恐怖を煽るようなニュースタイトルに振り回されることなく、有望な市場への積み立てを行っている人は淡々と積み立てを継続されていた方が、一時的な痛みも報われるような結果が待っているのではないでしょうか?
ただし、レバ3倍やブル3倍などレバレッジを用いたものは積み立てには不向きです。
良い時もあれば、悪い時、苦しい時もあるのが投資です。
上手にマーケットとお付き合いしていきましょう(^^)
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