MENU

結城はるみ公式ラインが新しくなりました!

レゾナック・ホールディングス2025年12月期決算を徹底解説|AI半導体材料の強みと構造改革の行方

結城はるみオフィシャルブログ読者の皆様にお知らせです
  1. AI×日本株のスペシャリスト結城はるみが最新情報LINEでお届け📩
  2. 注目の有望銘柄や市場動向など投資判断に役立つ内容を提供中!
  3. 今すぐ登録して、有望銘柄や市場動向、投資戦略をチェック!🚀

※すでに友達登録していただいた方も再登録をお願いいたします

結城はるみ公式LINEが新しくなりました!
各種更新通知、新着情報を配信しますのでご登録をお願いいたします。

目次

導入文

レゾナック・ホールディングスという企業をご存知でしょうか。2020年に昭和電工と旧日立化成が統合して誕生した、半導体材料や化学品を手がける大手メーカーです。2026年2月13日に発表された2025年12月期の決算は、この企業が大きな転換点を迎えていることを示す内容となりました。

一見すると売上が減り、最終利益も大幅に減少しているように見える数字の裏には、実は非常に重要なストーリーが隠れています。AI半導体向け材料という極めて有望な事業が急成長を遂げている一方で、石油化学事業という重荷を抱えており、その構造改革に取り組んでいる最中なのです。

この記事では、レゾナックの決算内容をわかりやすく紐解きながら、同社の「強み」と「課題」、そして今後の見通しについて詳しくご説明します。専門用語もできるだけかみ砕いてお伝えしますので、投資や企業分析に関心のある方はぜひ最後までお付き合いください。

レゾナック・ホールディングス2025年12月期決算の全体像

数字だけ見ると減収減益?真の姿を読み解く

まず2025年12月期の実績から見ていきましょう。

  • 売上収益:1兆3,471億円(前の年より3.2%減少)
  • コア営業利益:1,091億円(前の年より18.4%増加)
  • 最終利益(親会社に帰属する当期利益):290億円(前の年より60.5%減少)

「売上が減って、最終利益が60%も減ったの?大丈夫なの?」と心配になる数字ですよね。でも、この数字の裏にある事情を理解することが重要です。

「コア営業利益」とは?本業の実力を示す指標

レゾナックは「コア営業利益」という指標を重視しています。これは、通常の営業利益から一時的な特殊要因(事業の売却損益や資産の価値を下げる処理など)を除いた、いわば 「本業の実力」 を示す数字です。

このコア営業利益は1,091億円と、前の年より18.4%も増えています。つまり、本業の稼ぐ力は確実に強くなっているのです。

一方で、最終利益が大きく減った理由は、2025年に625億円という巨額の 「減損損失」 を計上したためです。減損損失とは、簡単に言えば「持っている資産の価値が下がったので、会計上その分を損失として計上する」というものです。レゾナックは欧州の電池事業や自動車部品事業を売却・縮小する際に、この処理を行いました。

これは構造改革に伴う一時的なものであり、本業の実力低下を意味するものではありません。むしろ、不採算事業を整理して筋肉質な体質に変わろうとしている過程なのです。

2026年の予想は「最終利益2.7倍」の意味

次に、2026年12月期の業績予想を見てみましょう。

  • 売上収益:1兆3,100億円(前期比2.8%減)
  • コア営業利益:1,400億円(前期比28.3%増)
  • 最終利益:770億円(前期比165.2%増、つまり約2.7倍)

「最終利益が2.7倍!」という数字だけ見ると、本業が急成長したかのように見えます。しかし実際には、2025年に集中的に計上した一時的な損失(625億円)が、2026年には350億円に減ることによる影響が大きいのです。

とはいえ、コア営業利益が28%増える計画というのは素晴らしい数字です。本業の稼ぐ力が確実に向上している証拠と言えるでしょう。

収益性を示す指標も着実に改善

企業の収益性を測る重要な指標として 「EBITDAマージン」 というものがあります。これは、利息・税金・減価償却費などを差し引く前の利益が売上高の何パーセントを占めるかを示す指標で、企業の本質的な稼ぐ力を表します。

レゾナックのEBITDAマージンは次のように改善しています。

  • 2024年:13.7%
  • 2025年:15.1%
  • 2026年予想:17.9%

また、投資効率を示す 「ROIC」(投下資本利益率)という指標も改善傾向にあります。

  • 2024年:5.2%
  • 2025年:6.2%
  • 2026年予想:7.5%

これらの数字は、レゾナックが単に売上規模を追い求めるのではなく、高収益な事業に経営資源を集中させる 「質的転換」 を進めている証拠です。

AI半導体材料事業という「稼ぎ頭」の実力

会社全体の利益をほぼ一手に稼ぎ出す事業

レゾナックの中で圧倒的に強いのが 「半導体・電子材料」 事業です。この事業セグメントだけで、なんとコア営業利益1,084億円を稼ぎ出しています。会社全体のコア営業利益が1,091億円ですから、実質的にこの事業だけで会社全体の利益を支えていると言っても過言ではありません。

2025年実績
– 売上収益:5,046億円(前期比14%増)
– コア営業利益:1,084億円(前期比47%増)
– EBITDAマージン:30.2%

2026年予想
– 売上収益:5,700億円(前期比13%増)
– コア営業利益:1,280億円(前期比18%増)

EBITDAマージンが30%を超えるというのは、世界的な半導体材料メーカーに匹敵する極めて高い収益性です。しかも2四半期連続で過去最高益を更新しており、勢いは止まりません。

なぜ今、半導体材料が注目されるのか

半導体材料、特に 「後工程材料」 が注目される背景には、半導体業界の大きな技術的転換があります。

従来、半導体の性能向上は主に「回路を細かく刻む」こと、つまり微細化によって実現されてきました。しかし現在、回路の線幅は数ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)という極限まで細くなり、物理的にもコスト的にも限界に近づいています。

そこで注目されているのが 「後工程」 、つまりパッケージング技術です。簡単に言えば、複数のチップを立体的に積み重ねたり、横に並べたりして性能を高める技術です。特にAI用の半導体では、この技術が不可欠になっています。

レゾナックが持つ「後工程材料」の圧倒的な強み

レゾナックは、この後工程で使われる材料の約80%をカバーする幅広い製品ラインナップを持っており、複数の製品で世界トップシェアを獲得しています。

NCF(非導電性フィルム)

AI半導体に欠かせない 「HBM」(高帯域メモリ)という高速メモリは、8層から16層もの薄い半導体を積み重ねて作られます。この層と層の間を接着し、電気的に絶縁するために使われるのがNCFです。レゾナックはこの分野で世界トップクラスのシェアを持っています。

AI需要の急拡大を受けて、レゾナックはNCFの生産能力を3.5〜5倍に増強する計画で、約150億円の設備投資を進めています。

TIM(放熱シート)

AIチップは非常に高密度に回路が詰まっているため、大量の熱を発生します。この熱を効率的に逃がすために使われるのが放熱シートです。レゾナックのTIMは熱伝導性能で業界最高水準を誇り、こちらも生産能力を大幅に増強中です。

その他の主力製品

  • EMC(半導体封止用エポキシ樹脂):世界シェア40〜50%
  • CMPスラリー(化学機械研磨材料):素子分離用途で世界シェアNo.1
  • CCL(銅張積層板):半導体パッケージ基板用でトップクラス

これらの材料は、異なる素材を積み重ねる際の熱膨張の違いを制御したり、微細な隙間を完全に埋めたりするなど、極めて高度な材料技術が要求される分野です。簡単には真似できない 「技術の壁」 が存在しており、これがレゾナックの競争優位性を支えています。

業界全体を巻き込む「JOINT」戦略

レゾナックの強みは、単に優れた材料を持っているだけではありません。業界全体を巻き込んだ 「オープンイノベーション」 の仕組みを主導していることも大きな強みです。

JOINT2(日本国内)

国内14社が参加する次世代パッケージング技術開発の共同体です。大型パネルを用いたチップ埋め込み技術の試作に成功しています。

US-JOINT(米国シリコンバレー)

2025年に稼働を開始し、GAFAMなどの大手IT企業や半導体メーカーと現地で直接対話しながら技術開発を進めています。12社の材料・装置メーカーが参加しています。

JOINT3(次世代技術)

2025年9月に発足した最新のプロジェクトで、27社が参加しています。従来のウェハー(円盤状のシリコン基板)ベースの製造から、パネル(四角い基板)ベースの製造へ移行することで、大型化するAIチップに対応しながら大幅なコストダウンを実現する次世代技術の開発を目指しています。

Lam ResearchやApplied Materialsといった世界トップクラスの装置メーカーも参加しており、レゾナック自身がプロトタイプ製造ラインを運用することで、次世代製造プロセスにおける材料仕様の 「事実上の標準」 を握ろうとしています。

この取り組みが評価され、レゾナックは2025年度の国際的な技術賞を受賞しました。

AI半導体向け売上が全体の20%に拡大

レゾナックの後工程材料事業全体に占めるAI半導体向けの売上比率は、すでに20%にまで拡大しています。AI半導体市場は2024年から2028年にかけて年平均31%で成長すると予測されており、この追い風はまだ始まったばかりです。

石油化学事業という「重荷」と構造改革の必要性

低収益に苦しむクラサスケミカル

半導体材料が圧倒的な収益力を誇る一方で、レゾナックの財務指標を引き下げているのが 「石油化学事業」 です。この事業は「クラサスケミカル」という子会社が担っています。

2025年実績
– 売上収益:3,001億円
– コア営業利益:47億円(前期比45%減)
– EBITDAマージン:わずか3.5%

半導体材料事業のEBITDAマージン30.2%と比べると、その差は歴然です。

なぜ石油化学事業は苦しいのか

石油化学事業が苦戦している理由は、主に 「市況依存型」 のビジネスモデルにあります。

原料であるナフサ(石油を精製する際に得られる物質)の価格が下がると、それに連動して製品価格も下がってしまいます。2025年は販売価格の下落だけで前期比293億円ものマイナス影響を受けました。

さらに、中国の過剰な生産能力によってアジア市場全体の価格が押し下げられており、必死のコスト削減努力(284億円の原価低減)でも損益悪化を食い止めきれませんでした。

2026年は、4年に1度の大規模な設備点検により販売数量がさらに減少し、売上収益は2,800億円(前期比7%減)に縮小する見通しです。

グラファイト事業も構造改革中

黒鉛電極を製造するグラファイト事業も厳しい状況です。世界的な鉄鋼市況の低迷と競合他社の価格攻勢により、2025年にはドイツ拠点の縮小を含む構造改革を決定しました。この改革により年間117億円の固定費削減を目指しており、2026年には黒字化を計画しています。

ただし、市況に左右されやすい体質は変わらないため、経営陣は将来的な売却も選択肢として検討していることを示唆しています。

「光」と「影」が同居する企業構造

現在のレゾナックは、AI半導体材料という極めて高収益で成長性の高い 「光」 の部分と、石油化学やグラファイトという市況依存型で低収益な 「影」 の部分が同居している状態です。

この状態は、企業評価において 「コングロマリット・ディスカウント」 と呼ばれる現象を引き起こします。つまり、「複数の異なる事業を抱える複合企業は、それぞれの事業を単独で評価した合計よりも低く評価されがち」という現象です。

スピンオフによる企業価値向上の期待とリスク

コングロマリット・ディスカウントの解消を目指す

このコングロマリット・ディスカウントを解消するための切り札が、クラサスケミカル(石油化学事業)の 「パーシャル・スピンオフ」 です。

スピンオフとは、子会社を親会社から分離して独立した会社として上場させることです。レゾナックの計画では、クラサスケミカルを東京証券取引所に単独上場させ、保有株式の80%超を既存株主に 「現物配当」 として分配するというものです。

スピンオフのメリット

このスピンオフが実現すると、次のようなメリットが期待されます。

レゾナック本体の「純化」

レゾナック本体は、低収益の石油化学事業を切り離すことで 「半導体および機能性材料の専業メーカー」 として生まれ変わります。これにより、世界の半導体材料専業メーカーと同等の高い評価を受けられる可能性があります。

実際、レゾナックの現在の企業価値評価倍率(EV/EBITDA)は11.4倍程度ですが、グローバルな半導体材料専業メーカーは17〜24倍で取引されています。もし半導体材料事業だけを取り出して専業メーカーと同等に評価すれば、企業価値は大幅に上昇する可能性があります。

クラサスケミカルの独立経営

一方、独立したクラサスケミカルは、石油化学に特化した経営判断を迅速に行えるようになり、業界再編の中で独自の道を歩めるようになります。

スピンオフの実行リスク

ただし、このスピンオフには重大な実行リスクが存在します。

2026年2月13日の開示によれば、税制上有利な条件でスピンオフを行うために必要な 「産業競争力強化法」 および 「租税特別措置法」 の改正内容が、2月上旬時点でもまだ不透明なままだということです。

つまり、スピンオフの実行は、政府や国会、監督官庁による法整備や審査の進捗に大きく依存しているのです。会社側は法改正後に迅速に動けるよう、2026年3月の株主総会で定款変更を提案していますが、ボールは当局側にあります。

もし法整備の遅延や上場審査の難航により、スピンオフが2026年内に実行されない、あるいはスキームの変更を余儀なくされた場合、期待していた企業価値向上のシナリオが崩れる可能性があります。

財務状況と今後の見通し

巨額負債の削減は着実に進行中

レゾナックは、2020年の旧日立化成買収に伴い約9,000億円という巨額の負債を抱えました。この負債の正常化は、現経営陣の最優先課題となっています。

2025年12月末時点の財務状況
– 有利子負債:9,695億円(前年比542億円減少)
– ネットD/Eレシオ:0.83倍
– ネットDebt/EBITDA倍率:3.5倍

2026年予想
– ネットDebt/EBITDA倍率:2.9倍へ改善

「ネットD/Eレシオ」 とは、純有利子負債(有利子負債から現金を引いたもの)が自己資本の何倍かを示す指標で、財務の健全性を測る重要な指標です。レゾナックは1.0倍以下を目標としており、着実に改善が進んでいます。

「ネットDebt/EBITDA倍率」 は、純有利子負債がEBITDA(利息・税金・減価償却費控除前利益)の何年分に相当するかを示す指標です。この数字が小さいほど、「稼いだお金で借金を返すのにかかる年数が短い」ことを意味します。

レゾナックは2倍台への早期改善を目標としており、2026年には2.9倍まで改善する見通しです。

成長投資と株主還元のバランス

2026年の設備投資予想額は1,462億円と、前年の1,129億円から大幅に積み増されます。これは主に、AI半導体材料の生産能力増強に向けた投資です。

営業活動で稼いだキャッシュ(営業キャッシュ・フロー:2026年予想1,660億円)の大部分が、こうした成長投資に振り向けられる構造になっています。

株主への配当は年間65円と、前年と同水準を維持する計画です。現時点では自社株買いは実施しておらず、AI半導体材料という大きな成長機会への投資を優先する姿勢が明確です。

今後注目すべきポイント

レゾナックの今後を見ていく上で、次のような点に注目するとよいでしょう。

法整備とスピンオフの実行時期

産業競争力強化法と租税特別措置法の改正がいつ行われるのか、そしてクラサスケミカルの上場審査がスムーズに進むのかが、2026年の最大の注目ポイントです。2026年3月の株主総会での定款変更承認も重要なマイルストーンとなります。

次世代パッケージング技術の進展

JOINT3で開発中のパネルレベル技術が、2027〜2028年にかけてどのように実用化されていくかも注目です。この技術が実用化されれば、レゾナックの競争優位性はさらに強固なものになります。

AI半導体市場の動向

NVIDIAやAMDなどのAIチップメーカーの設備投資計画や、データセンター建設の動向は、レゾナックの業績に直結します。AI需要の拡大が続く限り、レゾナックの後工程材料事業は高成長を続けるでしょう。

不採算事業の最終処理

グラファイト事業の構造改革がどこまで進むのか、将来的に売却されるのかも注視すべき点です。

まとめ:転換点に立つレゾナックの姿

レゾナック・ホールディングスの2025年12月期決算は、同社が大きな転換点に立っていることを示しています。

AI半導体の後工程材料という分野で、レゾナックは世界トップクラスの技術力とシェアを持ち、圧倒的な収益力を誇っています。この事業だけで会社全体の利益のほとんどを稼ぎ出しており、今後も高い成長が見込まれます。

一方で、石油化学事業やグラファイト事業といった市況依存型の低収益事業が、全体の評価を引き下げている状況です。これを解決するために計画されているのが、石油化学事業のスピンオフです。

このスピンオフが計画通り実行されれば、レゾナックは 「高収益・高成長の半導体材料専業メーカー」 として、全く異なる評価を受ける可能性があります。

ただし、スピンオフの実行には法整備という外部要因が絡んでおり、確実性は100%ではありません。また、依然として約1兆円近い有利子負債を抱えており、財務健全化の道のりはまだ途上です。

「2026年の最終利益2.7倍」という見出しだけを見て判断するのではなく、AI半導体材料という成長エンジンの実力、構造改革の進捗状況、そして実行リスクを総合的に理解することが大切です。

レゾナックは今、「光」の部分をさらに伸ばしながら、「影」の部分を切り離すという大きな変革の最中にあります。この構造改革がどのように進展していくのか、中長期的な視点で見守っていく価値のある企業と言えるでしょう。

化学メーカーという伝統的な枠組みから、AI時代を支える先端材料メーカーへと脱皮しようとするレゾナックの挑戦は、日本の製造業の未来を占う上でも注目に値します。今後の動向に引き続き注目していきたいと思います。

結城はるみオフィシャルブログ読者の皆様にお知らせです
  1. AI×日本株のスペシャリスト結城はるみが最新情報LINEでお届け📩
  2. 注目の有望銘柄や市場動向など投資判断に役立つ内容を提供中!
  3. 今すぐ登録して、有望銘柄や市場動向、投資戦略をチェック!🚀

※すでに友達登録していただいた方も再登録をお願いいたします

結城はるみ公式LINEが新しくなりました!
各種更新通知、新着情報を配信しますのでご登録をお願いいたします。

この記事をSNSで投稿できます
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

最新のコメント

コメントする

目次