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南鳥島レアアース開発プロジェクトとは?日本の資源戦略と今後の展望を解説

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## はじめに

日本は長年、「資源小国」と呼ばれてきました。電気自動車や風力発電、スマートフォンなど、私たちの生活を支える製品に欠かせない「レアアース」という資源の90%以上を、海外からの輸入に頼っている現状があります。特に中国が世界のレアアース生産量の約70%を占めており、この「中国依存」は日本経済にとって大きなリスクとなってきました。

そんな中、2026年1月から始まる「南鳥島レアアース開発プロジェクト」が、大きな注目を集めています。東京から南東約1,950キロメートルに位置する南鳥島の沖合で、水深6,000メートルという世界最深レベルの海底から「レアアース泥」を採取する世界初の試みです。

この記事では、南鳥島レアアース開発プロジェクトの全体像や技術的な挑戦、今後のスケジュール、そして日本の資源戦略にどのような影響を与えるのかについて、わかりやすく解説していきます。

## レアアースとは?現代社会に欠かせない「産業のビタミン」

### レアアースの基礎知識

レアアースは、スカンジウム、イットリウム、そして15種類のランタノイド元素を合わせた計17種類の元素の総称です。日本語では「希土類」とも呼ばれています。「レア(希少)」という名前がついていますが、実は地球上の存在量自体は銅や亜鉛よりも多いものもあります。

では、なぜ「レア」と呼ばれるのでしょうか。それは、レアアースが単独で高濃度に存在することが少なく、他の鉱物と混ざった状態で存在しているため、分離して精製することが技術的に非常に難しいからです。この分離精製の難しさが、レアアースの供給を不安定にしている大きな要因となっています。

### レアアースが使われている身近な製品

レアアースは「現代産業のビタミン」と呼ばれるほど、私たちの生活に深く関わっています。ほんの少量を加えるだけで、製品の性能を劇的に向上させることができるのです。

電気自動車のモーターには、強力な磁力を持つ「ネオジム磁石」が使われています。このネオジム磁石の性能を高めるために、ジスプロシウムやテルビウムといった「重希土類」と呼ばれるレアアースが不可欠です。また、スマートフォンのディスプレイやLED照明には蛍光材料として、自動車の排ガスをきれいにする触媒としても使われています。

カメラのレンズや光ファイバー、風力発電のタービン、ハードディスクなど、レアアースがなければ現代の便利な生活は成り立たないと言っても過言ではありません。

### 中国依存がもたらすリスク

2025年現在、世界のレアアース生産量の約70%を中国が占めています。特に「重希土類」と呼ばれる高機能なレアアースは、中国南部に集中しており、日本はその90%以上を輸入に頼っているのが現状です。

この中国依存は、大きなリスクをはらんでいます。実際、2025年4月には、中国が米国に対する報復措置として7種類のレアアース輸出を規制し、日本やアメリカの自動車メーカーが一時的に工場の稼働を停止する事態が発生しました。

このように、レアアースは単なる産業資材ではなく、国際関係や経済外交において重要な「戦略物資」として機能しているのです。

## 南鳥島レアアース泥の発見:日本の海に眠る宝

### 画期的な発見の経緯

2011年、東京大学の加藤泰浩教授率いる研究グループが、深海の「泥」の中にレアアースが高濃度で含まれていることを発見しました。これは、従来の陸上の鉱山とは全く異なる新しいタイプの資源です。

翌2012年には、日本の排他的経済水域である南鳥島周辺の海底にも、このレアアース泥が広く分布していることが明らかになりました。さらに2013年には、「世界最高品位の超高濃度レアアース泥」が南鳥島周辺に存在することが確認され、大きな話題となりました。

### 南鳥島レアアース泥の特徴

南鳥島周辺の海底、水深約6,000メートルに堆積するレアアース泥には、いくつかの重要な特徴があります。

まず、レアアース17種類すべてを含んでいることです。特に、電気自動車のモーターなどに使われる「重希土類」を高濃度で含んでいる点が注目されています。海洋研究開発機構によれば、その埋蔵量は「産業的開発ができる規模」とされており、日本のレアアース需要を長期にわたって支える可能性があります。

この発見は、「日本は資源に乏しい島国」という従来のイメージを覆すものでした。日本の排他的経済水域は世界第6位の広さを誇り、その海底には多くの資源が眠っている可能性が示されたのです。

## プロジェクトの全体像:2026年から始まる挑戦

### 段階的に進む開発計画

南鳥島レアアース開発は、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム」、通称「SIP」の一環として推進されています。このプロジェクトは、明確なロードマップに基づいて段階的に進められる計画です。

### フェーズ1:試験採掘(2026年1月~2月)

2026年1月11日、地球深部探査船「ちきゅう」が南鳥島に向けて出港します。南鳥島南東沖約150キロメートルの日本の排他的経済水域内で、約20日間にわたる海上作業が行われる予定です。

この試験採掘では、直径約3.5メートル、長さ約5.6メートルの採鉱装置を使って、海底の泥を破砕して回収します。水深6,000メートルという深海から、パイプラインを使って泥を船上まで引き上げる技術の実証が最大の目的です。

また、採掘が海底の生態系にどのような影響を与えるかを調べるため、水の濁り具合や生物への影響を詳しく観察するモニタリングも実施されます。

### フェーズ2:大規模実証試験(2027年2月~)

試験採掘が成功すれば、2027年2月から大規模な実証試験に移ります。この段階では、1日あたり最大350トンという本格的な規模での採掘を目指します。

この実証試験の目的は、商業化に向けた採算性の検証です。実際にビジネスとして成り立つのか、技術的に安定した採掘が可能なのか、処理施設での泥の脱水や濃縮がうまくいくのかを確認していきます。

### フェーズ3:処理施設の整備(2027年まで)

南鳥島には、採掘した泥を処理するための施設が建設されます。この施設では、泥から余分な水分を取り除いて濃縮し、本土へ運ぶための準備を行います。

また、運搬船への積み込み設備や、作業員を交代させるためのヘリコプター設備、環境への影響を継続的に監視するモニタリングシステムなども整備される計画です。

### フェーズ4:商業生産開始(2028年度以降目標)

日本政府は、2028年度以降を目標にレアアースの生産体制を整える方針を示しています。商業生産が始まれば、日本は世界で初めて深海からレアアースを採掘する国となります。

### 投入される予算

2024年度の補正予算では、このプロジェクトに164億円が計上されました。この予算は、南鳥島の処理施設の建設費、運搬船やヘリコプターなどの設備費、環境モニタリングシステムの開発費、そして2027年の実証試験の準備費用などに充てられます。

この大規模な予算配分は、日本政府がレアアースの国産化を「経済安全保障の最重要課題」と位置付けていることを示しています。小野田紀美科学技術担当大臣も「極めて重要なプロジェクト」と強調しており、国を挙げた取り組みとなっています。

## 世界初の技術的挑戦:深海6,000メートルからの採掘

### 前人未到の深さへの挑戦

水深6,000メートルという深海からの資源採掘は、世界に類を見ない技術的な挑戦です。これまで石油や天然ガスの海底生産では、水深3,000メートルが限度とされてきました。南鳥島プロジェクトは、その2倍の深さでの作業を目指しているのです。

水深6,000メートルの海底では、水圧は約560気圧にも達します。これは、1平方センチメートルあたりに560キログラムの重さがかかる計算です。このような過酷な環境で、機械を安全に動かし、泥を効率的に採掘することは容易ではありません。

### 主な技術課題

**揚泥技術の確立**

6,000メートルもの長距離パイプラインで泥を輸送する技術は、このプロジェクト最大の難関の一つです。泥と海水の混合物を、強大な水圧に耐えながら船上まで引き上げる必要があります。パイプの強度や耐久性、流体のコントロールなど、多くの技術的課題があります。

**採鉱技術の開発**

海底での効率的な泥の破砕と回収も重要な課題です。560気圧という高圧環境の中で、機械を遠隔操作しながら正確に作業を行う必要があります。

**選鉱・製錬技術**

海水を含む泥からレアアースを効率よく分離する技術も必要です。陸上の鉱山で使われている既存の製錬技術を、海底資源に適した形に改良していく必要があります。コストを抑えながら高効率で抽出する手法の確立が求められます。

**環境保全への配慮**

深海の生態系は、まだ解明されていない部分が多くあります。採掘によって海底がかき乱されると、水が濁ったり、そこに住む生物に影響が出たりする可能性があります。環境への影響を最小限に抑え、リアルタイムで監視するシステムの構築が重要です。

**残泥の処理**

レアアースを抽出した後には、大量の泥が残ります。この残泥をどのように処分するか、あるいは再資源化できるかも大きな課題です。環境負荷を減らしながら、効率的に処理する方法を見つける必要があります。

### 着実な前進を目指す姿勢

SIPプログラムディレクターの石井正一氏は「困難はあると思うが、レアアース調達先の多角化に貢献したい」と述べています。焦らず段階を踏んで、確実に技術を確立しながら商用化を目指す方針です。

## オールジャパン体制での開発推進

### レアアース泥開発推進コンソーシアムの役割

南鳥島レアアース開発は、一つの企業や機関だけで進められるものではありません。2014年11月に設立された「レアアース泥開発推進コンソーシアム」が、技術開発の中核を担っています。

このコンソーシアムには、約40の国内企業、政府機関、大学や研究機関が参加しており、まさに「オールジャパン」体制で開発を推進しています。東京大学を中心に、それぞれの専門分野を持つ企業や研究者が協力し合う体制が整えられています。

### 5つの専門部会

コンソーシアムは、専門分野ごとに5つの部会に分かれています。

「探査・モニタリング・環境」を担当する部会では、レアアース泥の分布調査や環境影響の評価を行います。「採泥・揚泥」部会は、海底からの採掘と輸送技術の開発を担当します。「選鉱・製錬」部会では、泥からレアアースを効率的に取り出す技術を研究しています。

「泥処理」部会は、レアアース抽出後の残泥をどう処理・活用するかを検討し、「新素材」部会では、国産レアアースを使った新しい材料の開発を目指しています。

### 世界初への挑戦

座長を務める加藤泰浩教授は、「世界初の海底鉱物資源開発を日本が実現する」というビジョンを掲げています。各部会が横断的に連携しながら、システム全体の最適化を目指しており、日本の技術力と組織力を結集したプロジェクトとなっています。

## 関連する日本企業の動き

### 海洋エンジニアリング・採掘技術を持つ企業

深海での採掘には、高度な海洋エンジニアリング技術が必要です。 **三井海洋開発** は、浮体式の石油・ガス生産設備で世界的に知られる企業で、レアアース泥開発推進コンソーシアムの中核メンバーとして参加しています。深海での採掘システムの設計や運用に関する豊富なノウハウを持っており、商業化段階での重要な役割が期待されています。

**古河機械金属** は、鉱山機械や採掘技術を長年手がけてきた老舗企業です。陸上鉱山で培った技術を深海採掘に応用する取り組みを進めており、レアアース泥採掘用の機材開発に参画しています。2025年12月24日には株価が前日比9%高と急騰するなど、市場からの期待も高まっています。

**IHI** や **川崎重工業** といった重工業メーカーも、大型の海洋構造物を設計・製造する能力を持っており、揚泥管や採鉱装置などの重機製造に関わる可能性があります。

### 資源・製錬の専門企業

採掘した泥からレアアースを取り出す製錬工程も重要です。 **住友金属鉱山** は、日本を代表する非鉄金属の大手企業で、レアアースの製錬技術を保有しています。国産レアアースの製錬を担う最有力候補と見られています。

**三井金属鉱業** は、コンソーシアムのメンバーとして、非鉄金属の精錬技術を活かした参画が期待されています。また、 **JX金属** (ENEOSグループ)もコンソーシアムメンバーとして、レアアース製錬の研究開発を推進しています。

### 商社・資源流通を担う企業

資源を採掘・製錬した後は、それを必要とする企業に届けるための流通網が必要です。 **双日** は、レアアース関連銘柄として市場で注目されており、資源トレーディングのノウハウを活かして、国産レアアースの流通や販売網の構築で役割を果たすことが期待されています。

三井物産、三菱商事、伊藤忠商事といった大手総合商社も、海外でのレアアース権益を保有しており、南鳥島プロジェクトへの参画可能性があります。中国依存からの脱却という観点から、国産レアアースの確保は商社の戦略上も重要な意味を持ちます。

### 建設・インフラ整備を行う企業

南鳥島での処理施設の建設には、海洋工事の実績を持つ建設会社が関わります。 **鹿島建設** 、 **東亜建設工業** 、 **三井住友建設** などがコンソーシアムメンバーとして参加しており、164億円の補正予算の一部が建設工事に充当される見込みです。

**太平洋セメント** もコンソーシアムメンバーとして、残泥の処理や再資源化技術の検討に参画しています。大量の残泥をセメント原料などに再利用できれば、環境負荷の軽減にもつながります。

### レアアースを使う最終製品メーカー

国産レアアースが実現すれば、それを使う企業にとっても大きなメリットがあります。 **信越化学工業** は、レアアース磁石材料の世界的な大手企業で、ネオジム磁石の製造技術を持っています。国産レアアースの安定調達により、中国からの供給リスクを軽減できます。

**TDK** や **日立金属(現プロテリアル)** も、レアアース磁石の大手メーカーとして、電気自動車用モーターなどへの応用を進めています。

**トヨタ自動車** は、コンソーシアムの賛助会員として参加しています。電気自動車やハイブリッド車にレアアース磁石を使用しており、サプライチェーンの安定化は生産リスクの低減につながります。

レアアース専門商社の **アルコニックス** も、中国依存からの脱却を模索しており、国産レアアース流通での中核的役割が期待されています。

## プロジェクトが抱えるリスクと課題

### 技術的な不確実性

世界初の深海6,000メートルからの採掘という挑戦には、技術的な不確実性が伴います。予期せぬトラブルが発生してスケジュールが遅れる可能性や、当初の想定通りの採算性が得られない可能性も考えられます。

### 環境への配慮

深海の生態系は、まだ解明されていない部分が多く、採掘が環境に与える影響について慎重な配慮が必要です。予期せぬ環境問題が発生した場合、事業の停止を余儀なくされるリスクもあります。環境団体からの反対運動が起きる可能性も考慮する必要があります。

### 経済的な採算性

深海からの採掘には多額のコストがかかります。採掘や製錬のコストが中国産のレアアースを上回ってしまうと、商業的に成り立たない可能性があります。また、商業化までには2028年度以降という長期間を要し、その間に市況が変動してレアアース価格が下落するリスクもあります。

### 国際情勢の変化

中国が輸出規制を緩和したり、国際的なレアアース市場の構造が大きく変化したりした場合、南鳥島プロジェクトの優位性が低下する可能性があります。

### 予算と政策の継続性

大規模な国家プロジェクトは、政権交代や財政状況の変化によって予算が削減される可能性があります。SIPプログラムが今後も継続的に支援されるかどうかも、重要なポイントです。

## 世界のレアアース戦略:中国依存からの脱却

### グローバルな供給網の再編

南鳥島プロジェクトは、日本単独の取り組みではなく、世界的なレアアースサプライチェーンの再編という大きな流れの中に位置づけられます。

**ブラジル** は、レアアースの埋蔵量が世界第2位とされており、2024年には同国初の大規模レアアース鉱山が操業を開始しました。 **米国** では、カリフォルニア州のマウンテンパス鉱山の再開発が進められており、重希土類の国内製錬能力を強化しています。

**オーストラリア** のライナス社は、中国以外で唯一の大規模製錬企業として知られており、日本も同社との協力関係を強化しています。

### 日米欧連携の動き

東京大学のコンソーシアムは、日米欧が連携してレアアース開発を進めることを提唱しています。中国の「レアアース支配」に対抗するため、民主主義国家が協調してサプライチェーンの多様化を進める動きが加速しています。

南鳥島プロジェクトは、この国際的な枠組みの中で、日本が主導的な役割を果たす戦略的意義を持っているのです。

## まとめ:日本の資源戦略の転換点

南鳥島レアアース開発プロジェクトは、単なる資源開発事業ではありません。日本の経済安全保障を強化し、「資源小国」から「資源立国」への転換を目指す国家戦略の一環として位置づけられています。

2026年1月からの試験採掘開始、2027年の大規模実証試験、そして2028年度以降の商業生産開始という明確なロードマップが示されており、164億円という大規模な予算が投入されています。世界初となる深海6,000メートルからのレアアース採掘という技術的挑戦には困難も伴いますが、成功すれば日本の産業競争力と経済安全保障を大きく強化することにつながります。

約40の企業や研究機関が参加する「オールジャパン」体制で進められるこのプロジェクトは、海洋エンジニアリング、製錬技術、環境保全など、多岐にわたる分野での技術革新をもたらす可能性を秘めています。

2026年1月の試験採掘は、このプロジェクトの最初の重要なマイルストーンとなります。その結果は、日本の資源戦略の未来を大きく左右することになるでしょう。南鳥島の深海に眠る「超高濃度レアアース泥」が、日本の未来を拓く鍵となるのか。世界が注目する歴史的な挑戦が、いよいよ始まります。

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