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2025年Q4の13Fファイリングから読み解く著名投資家の動向|Amazon・Metaへの大規模投資とバフェット退任の意味

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目次

導入文

株式投資をしていると、「あの有名な投資家は今、どんな銘柄を買っているんだろう?」と気になることはありませんか?

実は、アメリカでは「13Fファイリング」という制度があり、1億ドル以上の資産を運用する機関投資家は、四半期ごとに保有銘柄を公開することが義務付けられています。つまり、ウォーレン・バフェットやビル・アックマンといった著名投資家の動きを、私たちも知ることができるのです。

2025年第4四半期の13Fファイリングでは、投資界にとって歴史的な出来事がいくつも記録されました。バフェットの60年にわたる投資キャリアの最終章、セス・クラーマンとビル・アックマンによるAmazonへの大規模投資、そしてマイケル・バーリやガイ・スピアのファンド閉鎖など、大きな転換点を迎えています。

この記事では、2025年Q4の13Fファイリングから見えてくる投資界の最新動向を、できるだけわかりやすく解説していきます。これらの情報が、皆さんの投資判断の参考材料の一つになれば幸いです。

13Fファイリングとは?著名投資家の動向を知る窓口

13Fファイリングの基本的な仕組み

「13Fファイリング」とは、アメリカの証券取引委員会(SEC)に提出が義務付けられている報告書のことです。1億ドル以上の資産を運用する機関投資家は、四半期ごとに自分たちが保有している株式のポジションを公開しなければなりません。

この制度のおかげで、私たち一般の投資家も、世界トップクラスの投資家たちがどんな銘柄をどれくらい保有しているのかを知ることができます。まるで、プロの料理人のレシピを覗き見るような感覚ですね。

13Fファイリングの注意点

ただし、13Fファイリングを見る際には、いくつか注意しておきたい点があります。

まず、この報告書は 四半期末から45日以内 に提出されるため、情報にはタイムラグがあります。つまり、私たちが見ている時点では、すでに状況が変わっている可能性もあるのです。

また、13Fファイリングには 株式のロング(買い)ポジションのみ が記載され、ショート(売り)ポジションやオプション取引、債券などは含まれません。そのため、投資家の全体像を完全に把握することはできないという限界もあります。

それでも、著名投資家がどんな企業に注目しているのかを知ることは、投資を学ぶ上で非常に貴重な情報源となります。

2025年Q4の特別な意味

2025年第4四半期の13Fファイリングは、投資界にとって特別な意味を持ちます。なぜなら、ウォーレン・バフェットが2025年末をもってバークシャー・ハサウェイのCEOを退任したため、この報告書が バフェット時代の最後の記録 となったからです。

60年間にわたり年平均19.9%のリターンを達成してきた伝説的な投資家の最終章として、今回の13Fファイリングには多くの注目が集まりました。

セス・クラーマンとビル・アックマンが注目するAmazon投資の理由

二人の著名投資家による大規模なポジション

2025年第4四半期、二人の著名バリュー投資家がAmazonに大きく投資していることが明らかになりました。

一人目は、セス・クラーマン率いるBaupost Groupです。クラーマンは 約5億ドル(210万株) のAmazon株を新規に購入し、これはポートフォリオ全体の9.28%を占める第2位のポジションとなりました。セス・クラーマンは「賢明なる投資家」の現代版とも言われるバリュー投資の大家で、慎重な投資スタイルで知られています。

二人目は、ビル・アックマン率いるPershing Squareです。アックマンは既存のAmazonポジションを 65%増加 させ、ポートフォリオの14.28%を占める第3位のポジション(BrookfieldとUberに次ぐ)にまで引き上げました。

保守的で知られる二人の投資家が、これほど大規模にAmazonへの投資を増やしたことは、何を意味しているのでしょうか。

AWSの収益構造が持つ独自性

Amazonへの投資理論を理解するには、同社のビジネスモデルを知る必要があります。実は、Amazonのビジネスは大きく二つの柱から成り立っているのです。

一つ目は、私たちがよく知っている 小売事業 です。2025年の実績では、北米で4,263億ドル、国際市場で1,619億ドルの売上を記録しました。営業利益は北米で296億ドル、国際で47億ドルとなっています。

二つ目は、AWS(Amazon Web Services) と呼ばれるクラウドコンピューティング事業です。2025年の売上は1,287億ドルで、これは全体売上の18%に過ぎません。ところが驚くべきことに、営業利益は456億ドルに達し、これは 全体の営業利益の57%以上 を占めているのです。

この数字が示しているのは、AWSの圧倒的な利益率の高さです。売上の5分の1にも満たない事業が、利益の半分以上を生み出している。この収益構造の優位性こそが、クラーマンとアックマンがAmazonに注目する大きな理由の一つと考えられます。

AI投資とキャパシティ制約の解消という成長機会

Pershing Squareが指摘する興味深いポイントがあります。それは、AWSの成長率が需要不足ではなく、キャパシティ(供給能力)の制約によって制限されている という点です。

現在、AWSは約20%の成長率を示していますが(1,400億ドル規模)、実は需要はもっとあるのに、データセンターの容量が追いついていないという状況なのです。

この課題に対応するため、Amazonは2026年に 2,000億ドル という巨額の設備投資を計画しています。その目的は、AIインフラストラクチャの構築です。2027年までにデータセンター容量を倍増させる計画により、これまで取りこぼしていた需要を取り込める可能性があります。

主要顧客との契約拡大が示す信頼性

2025年第3四半期以降、AWSは数多くの大手企業や組織と新たに契約を結んでいます。

AI・テクノロジー企業 では、OpenAI、Perplexity、Salesforce、Adobe、Crowdstrikeなどが名を連ねています。特にAI関連企業との契約拡大は、今後のAI需要の高まりを示唆していると言えるでしょう。

金融機関 では、BlackRock、Visa、S&P Global、カナダ国立銀行、HSBC、ロンドン証券取引所グループなど、世界的な金融機関が並びます。

その他にも、NBA、ユナイテッド航空、DoorDash、AT&T、Thomson Reuters、Lyft、Choice Hotels、Indeedなど、業種を問わず多様な企業がAWSを利用しています。

この顧客リストが示しているのは、AWSが単なるテクノロジー企業向けのサービスではなく、あらゆる産業のデジタルインフラの基盤 として機能しているという事実です。

バークシャー・ハサウェイは逆に売却している

興味深いことに、クラーマンとアックマンがAmazon株を大きく増やしている一方で、バークシャー・ハサウェイは第4四半期に Amazonポジションの77%を売却 しています。

これは真逆の動きですが、どう解釈すべきでしょうか。

一つの解釈としては、バリュエーション(株価の割高・割安)に対する見方の違い が考えられます。バフェットは、Amazonの株価が適正水準を超えたと判断した可能性があります。

また、投資哲学の違い も大きいでしょう。クラーマンとアックマンはAI技術の成長性に積極的に賭けているのに対し、バフェットはより保守的なアプローチを取っているのかもしれません。

さらに、バークシャーは現在、記録的な現金ポジションを構築中です。これは全体的なポートフォリオ戦略の一環として、リスク資産を減らしているとも考えられます。

同じ銘柄に対して、著名投資家たちが異なる判断を下している。これは、投資に「唯一の正解」はなく、それぞれの投資哲学や時間軸によって判断が分かれることを示す好例と言えるでしょう。

ウォーレン・バフェット最後の13Fが示すもの

60年間の投資キャリアの終幕

2025年末をもって、ウォーレン・バフェットはバークシャー・ハサウェイのCEOを退任しました。今回の第4四半期の13Fファイリングは、60年間にわたる伝説的な投資キャリアの最終章 を記録するものとなりました。

バフェットの実績は、まさに驚異的です。1965年から2024年までの期間、バークシャーの年平均リターンは 19.9% でした。これは、S&P500の年平均リターン10.4%の約2倍に相当します。

この差がどれほど大きいか、具体的な数字で見てみましょう。1965年に1ドルを投資した場合、バークシャーに投資していれば 55,000ドル以上 に成長していました。一方、S&P500に投資していた場合は391ドルです。実に140倍以上の差があります。

この数字は、複利の力長期的な規律ある投資 がもたらす驚異的な効果を示しています。

第4四半期のポートフォリオ調整内容

バフェット最後の四半期では、いくつかの重要なポートフォリオ調整が行われました。

最も注目されるのは、Apple株の4%削減 です。現在、Appleはポートフォリオ全体に占める割合がAmerican Expressとほぼ同水準になっています。数年前はポートフォリオの50%を占めていたことを考えると、これは劇的な変化です。

その他の動きとしては、以下のようなものがありました。

  • Bank of America を9%削減
  • Chevron(石油大手)を6.6%増加
  • Chubb(保険会社)を9.3%増加
  • New York Times に3.5億ドルの新規投資(ただし、これは副投資責任者のTed Weschlerによる投資の可能性が高い)

全体的な傾向として、テクノロジー株を減らし、エネルギーや保険といった伝統的な産業へのウエイトを高めているように見えます。

Apple株削減の意味を読み解く

バフェットがAppleポジションを継続的に削減している理由については、さまざまな解釈が可能です。

一つは、バリュエーションへの懸念 です。Appleの株価が大きく上昇したことで、バフェットが考える「適正価格」を超えてしまった可能性があります。バフェットは常々「素晴らしい企業を妥当な価格で買う」ことの重要性を説いてきました。

二つ目は、ポートフォリオの集中リスク管理 です。一時期、Appleはバークシャーのポートフォリオの半分を占めていました。単一銘柄への過度な集中は、たとえそれが優良企業であってもリスクが高いと判断したのかもしれません。

三つ目は、税務戦略 の可能性です。将来的に法人税率や キャピタルゲイン税(値上がり益への課税)が上がることを見越して、利益を確定しているという見方もあります。

四つ目は、後継者への配慮 です。新CEOのGreg AbelやTed Weschlerに、より柔軟なポートフォリオ管理の余地を残すための配慮かもしれません。

記録的な現金ポジションが意味すること

バークシャー・ハサウェイは現在、記録的な規模の現金ポジションを保有しています。2025年時点で推定3,000億ドルを超えると見られています。

これは何を意味しているのでしょうか。

ポジティブな解釈 としては、市場全体のバリュエーションが割高だとバフェットが判断しており、魅力的な投資機会が現れるまで辛抱強く待っているという見方があります。また、大規模な企業買収の機会を待っているのかもしれません。経済が不況に陥った際には、この現金が大きな武器となるでしょう。

一方、慎重な見方 もあります。それは、投資機会が枯渇しているのではないか、あるいは過度に保守的すぎるのではないかという懸念です。

いずれにせよ、バフェットの現金保有姿勢は、市場全体に対する一定の警戒感を示していると言えるでしょう。

新体制への移行

バフェット退任後、バークシャー・ハサウェイは新しい体制に移行しました。

Greg Abel(新CEO)は、バークシャーの事業運営全般を統括し、投資判断にも関与する見込みです。

Ted Weschler(投資責任者)は、株式ポートフォリオの管理において、より大きな役割を担うことになります。特に、もう一人の副投資責任者だったTodd CombsがJPMorganへ移籍したため、その穴を埋める重要な立場にあります。

バフェット最後の13Fファイリングは、単なる四半期報告書ではなく、投資界の歴史の一ページ として記憶されることでしょう。

ビル・アックマンのMeta投資戦略を読み解く

なぜ今Metaなのか?投資のタイミング

ビル・アックマン率いるPershing Squareは、2025年第4四半期に 17.6億ドル をMetaに投資しました。これはポートフォリオ全体の11.37%を占める第5位のポジションとなっています。

アックマンがMetaに投資した背景には、興味深いタイミングがあります。Meta株は2025年第4四半期に、8月の高値から 25%の下落 を経験していました。アックマンは、この調整局面を投資機会と捉えたようです。

株価が下落している時に投資するというのは、バリュー投資の基本的な考え方です。「良い企業が一時的に割安になっている時こそ買い時」という原則に基づいた判断と言えるでしょう。

AIと広告ビジネスの融合という成長ストーリー

Pershing Squareは、Metaについて「AI統合の最も明確な受益者の一つ」と評価しています。では、具体的にどのような点でAIが活かされるのでしょうか。

一つ目は、コンテンツレコメンデーション(おすすめ機能)の改善 です。AIによってユーザーの好みをより正確に理解し、興味を引くコンテンツを表示できるようになれば、ユーザーのエンゲージメント(利用時間や頻度)が向上します。

二つ目は、広告ターゲティングの精度向上 です。AIを活用することで、広告主は自社の商品に興味を持つ可能性の高いユーザーにピンポイントで広告を届けられるようになります。これにより、広告の効果(ROI:投資収益率)が向上し、広告主はより多くの予算をMetaに投じるようになるという好循環が生まれます。

Metaは2026年、AI投資に 1,150億〜1,350億ドル を投じる計画を発表しています。これは前年2025年からの増加率で最大 87% という大規模なものです。Amazonの2,000億ドルには及びませんが、それに匹敵する規模の投資と言えるでしょう。

ネットワーク効果という強固な競争優位性

アックマンがMetaに注目するもう一つの重要な理由は、ネットワーク効果 という強固なビジネスモデルです。

Metaは、以下のプラットフォームを所有しています。

  • Facebook(世界最大のソーシャルネットワーク)
  • Instagram(写真・動画共有サービス)
  • WhatsApp(メッセージアプリ)
  • Messenger(メッセージアプリ)

これらのプラットフォームは合わせて 数十億人のユーザー を抱えており、世界最大規模のソーシャルネットワークを形成しています。

「ネットワーク効果」とは、利用者が増えれば増えるほど、そのサービスの価値が高まるという現象です。例えば、あなたの友人や家族の多くがFacebookやInstagramを使っていれば、あなたも使い続ける理由が生まれます。別のサービスに移ると、これまで築いてきた人間関係のネットワークを失うことになるため、スイッチング(乗り換え)のコストが高い のです。

また、長年の利用によって蓄積された写真やメッセージ、思い出といった データの価値 も、ユーザーを繋ぎ止める要因となります。

アックマンは重要な指摘をしています。「NvidiaのようにAIが事業の将来を左右するのではなく、Metaはすでに強固なビジネスを持っており、AIはそれをさらに良くするもの」という点です。

これは非常に重要な区別です。Metaへの投資は、AIという不確実な未来への賭け ではなく、既存の強固なビジネスモデルがAIによってさらに改善される という、比較的リスクの低いシナリオに基づいているのです。

相対的に魅力的なバリュエーション

アックマンがMetaに注目するもう一つの理由は、バリュエーション(株価の割安・割高の評価)です。

現在、Metaの PER(株価収益率)は22倍 程度です。これは、いわゆる「MAG7」(Apple、Microsoft、Google、Amazon、Meta、Tesla、Nvidiaという大手テクノロジー7社)の中では相対的に低い水準にあります。

参考までに、他の企業のPERは以下のような水準です(時期により変動します)。

  • Apple: PER 30倍前後
  • Microsoft: PER 35倍前後
  • Nvidia: PER 40倍以上

Pershing Squareは、「これらの企業は、S&P500(アメリカの代表的な500社の株価指数)の大半の企業よりも構造的に高い成長性を持っているにもかかわらず、平均倍率はわずかに高いだけ」と指摘しています。

さらに、「Metaの現在の株価は、AIによる長期的な上昇ポテンシャルを過小評価しており、世界最高峰のビジネスの一つにしては大幅に割安な評価」と述べています。

もちろん、この評価が正しいかどうかは、今後のMeta の成長とAI投資の成果次第です。ただ、著名投資家がこのような判断をしているという事実は、投資を学ぶ上で興味深い情報と言えるでしょう。

デジタル広告市場の長期的な成長

Metaのビジネスの中核は デジタル広告 です。この市場は、今後も継続的な成長が見込まれています。

従来、企業の広告予算はテレビや新聞、雑誌といった伝統的なメディアに使われていました。しかし現在、これらの予算は急速にデジタルへとシフトしています。

特に以下のようなトレンドが続いています。

  • モバイル広告の拡大(スマートフォンの普及)
  • 動画広告の増加(YouTubeやInstagramのリール、TikTokなど)
  • eコマース(ネット通販)との統合強化(Instagram Shoppingなど)

Metaは、この成長市場において支配的な地位を維持しています。FacebookとInstagramを合わせたユーザー基盤は、他の追随を許さない規模です。

AI投資への懸念とアックマンの見解

市場では、MetaやAmazonの巨額なAI投資に対する懸念の声もあります。

主な懸念点は以下のようなものです。

  • 投資額が巨額すぎるのではないか?
  • 投資に見合った収益(ROI)が得られるかが不透明
  • AI投資競争の激化による消耗戦になるのではないか

これに対して、アックマンは「Metaの AI関連支出に対する懸念は、同社の長期的な上昇ポテンシャルを過小評価している」と反論しています。

彼の論理は明快です。

  1. Metaは すでに収益性の高いビジネスを持っている(収益基盤がある)
  2. AI投資は 既存ビジネスの改善と効率化 に寄与する(ゼロからの事業立ち上げではない)
  3. 広告ターゲティングの精度向上は、直接的な収益増加 につながる(効果が見えやすい)

このように、Metaへの投資は比較的リスクの低いAI投資のシナリオと言えるかもしれません。

マイケル・バーリとガイ・スピアのファンド閉鎖が示すもの

マイケル・バーリの新しい情報発信スタイル

映画「マネー・ショート」で一躍有名になったマイケル・バーリは、Scion Asset Managementを正式に閉鎖 しました。前四半期に予告されていましたが、今回の13Fファイリングで公式に確認されました。

興味深いことに、ファンド閉鎖後、バーリは以前よりも積極的に情報を発信しています。主な発信先は以下の二つです。

  • Twitter(X): 定期的な投稿で市場に対する見解を発信
  • Substack: より詳細な分析記事を公開

ファンドを運営している間は、ポジション開示の制約があり、発言には慎重にならざるを得ませんでした。しかし、ファンドを閉鎖したことで、その制約がなくなり、より率直に意見を述べることができるようになったのです。

投資家にとっては、バーリの13Fファイリングは今後見られなくなりますが、TwitterやSubstackを通じて彼の思考プロセスをリアルタイムで追うことができるという利点もあります。

ただし注意点として、これらはファンドマネージャーとしての正式なポジション開示ではないため、実際の投資行動とは異なる可能性があります。あくまで「意見」として参考にすべきでしょう。

ガイ・スピアの健康問題とファンド解散

著名なバリュー投資家であるガイ・スピアは、深刻な健康問題 によりAquamarine Fundを閉鎖しました。

ガイ・スピアは、グレード4の膠芽腫(glioblastoma) という悪性の脳腫瘍と診断され、複数回の手術を受けています。この病気は非常に深刻なもので、治療が困難とされています。

ガイ・スピアは年次レターの中で、次のように述べています。

「これは私が書きたかった手紙ではないが、書かなければならない手紙だ。ご存知の通り、我々は外部資本を返還し、外部投資家向けのAquamarine Fundを閉鎖する。この決定は、パフォーマンスや市場やタイミングに関するものではない。これは私の健康状態と、皆様の資本を真摯に扱う義務に関するものだ。」

この言葉からは、ガイ・スピアの投資家に対する誠実な姿勢が伝わってきます。自身の健康状態がファンド運営に支障をきたすと判断した時点で、速やかに投資家への資本返還を決断しました。

ガイ・スピアの投資哲学

ガイ・スピアは、著書『The Education of a Value Investor(賢明なる投資家になるための教育)』で知られ、以下のような投資哲学で有名です。

チェックリストの重要性: 感情的な判断を避け、体系的な分析を重視する。投資判断を行う際には、事前に定めたチェックリストに従うことで、感情に流されることを防ぎます。

バフェット式の長期投資: 質の高い企業を見つけ、長期保有する。短期的な値動きに惑わされず、企業の本質的な価値に注目します。

自己認識と継続的な改善: 投資家としての自分の弱点を認識し、継続的に改善していく姿勢。過去の失敗から学ぶことを重視します。

誠実さと透明性: 投資家に対して透明性を保ち、正直に向き合う。今回のファンド閉鎖の決断も、この哲学の表れと言えるでしょう。

投資コミュニティの温かさ

ガイ・スピアは、単なる優秀なファンドマネージャーではなく、投資教育者 としても多くの人々に影響を与えてきました。彼の著書や講演は、多くの個人投資家にバリュー投資の本質を伝えてきました。

この状況を受けて、投資コミュニティでは、ガイ・スピアへのメッセージを集めて一冊の本にまとめ、送る取り組みが行われています。これは、投資コミュニティの温かさと連帯感を示す素晴らしい取り組みと言えるでしょう。

ガイ・スピアのキャリアから学べることは多くあります。特に、自身のパフォーマンスが維持できないと判断した時点でファンドを閉鎖するという決断は、投資家保護を最優先する姿勢の表れです。また、健康と人生が投資よりも重要であることを、改めて認識させてくれます。

投資界の世代交代と今後の展望

AI投資の時代への突入

2025年第4四半期の13Fファイリングから見えてくる最大のトレンドは、AI投資の本格化 です。

Amazonは2,000億ドル、Metaは1,150億〜1,350億ドルという巨額の設備投資をAI関連インフラに投じる計画を発表しています。そして、セス・クラーマンやビル・アックマンといった著名投資家たちが、これらの企業に大規模な投資を行っています。

一方で、ウォーレン・バフェットのようにテクノロジー株のポジションを削減し、現金を積み上げている投資家もいます。

この対照的な動きは、AI投資に対する見方の多様性 を示しています。AI技術の成長ポテンシャルは認識されつつも、その投資効率や収益化のタイミングについては、投資家の間でも意見が分かれているのです。

世代交代という大きな転換点

今回の13Fファイリングは、投資界における 世代交代 という歴史的な転換点を記録しています。

ウォーレン・バフェット(94歳)が60年間のCEO在任期間を終え、Greg AbelとTed Weschlerに引き継ぎました。マイケル・バーリとガイ・スピアは、それぞれの理由でファンド運営から退いています。

一つの時代が終わり、新しい世代の投資家たちが前面に出てくる。これは、投資哲学や手法の進化をもたらす可能性があります。

バフェットの時代は、伝統的なバリュー投資 の黄金時代でした。割安な優良企業を見つけ、長期保有するという明快な戦略です。

新しい世代の投資家たちは、この伝統的な哲学を受け継ぎつつも、AI やテクノロジーといった新しい要素をどう評価し、投資判断に組み込んでいくかという課題に直面しています。

バリュエーションへの警戒感

バフェットのApple大幅売却と記録的な現金保有は、市場全体のバリュエーションに対する警戒感 を示している可能性があります。

2026年2月時点の市場環境を見ると、S&P500のPER(株価収益率)は歴史的に見ても高い水準にあります。金利も依然として高めで、経済の先行きには不透明感が残っています。

このような環境下では、たとえ素晴らしい企業であっても、割高な価格で買うことは避けるべきかもしれません。バフェットの現金ポジションは、「今は待つ時期」というメッセージとも読み取れます。

投資における多様な視点の重要性

今回の13Fファイリングから学べる最も重要な教訓の一つは、投資には唯一の正解がない ということです。

同じAmazon株に対して、クラーマンとアックマンは大きく買い増し、バフェットは大幅に売却しました。誰が正しいのかは、今後数年の市場動向を見なければわかりません。

それぞれの投資家は、自身の投資哲学、リスク許容度、時間軸に基づいて判断を下しています。

  • アックマン: AI の成長ポテンシャルに積極的に賭ける
  • バフェット: バリュエーションを重視し、割高な市場では現金を保持する

どちらのアプローチも、それぞれの文脈では正しいと言えます。

2026年の注目ポイント

今後、特に注目すべきポイントをいくつか挙げておきます。

AI投資の成果: AmazonとMetaの巨額投資が、実際の収益増加につながるかどうか。特にAWSの成長率が加速するか、Metaの広告収益がAIによって改善するかが焦点となります。

バークシャーの新体制: Greg Abelが率いる新生バークシャーが、バフェット時代の投資哲学を継承しつつ、どのような新しいアプローチを取るか。

経済環境の変化: FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策、インフレ率の推移、地政学リスクなど、マクロ経済の動向が投資家の戦略にどう影響するか。

投資を学ぶ姿勢

13Fファイリングは、著名投資家の動きを知る貴重な情報源ですが、いくつか注意すべき点があります。

学ぶべき点:
– 投資理論と論理的な根拠
– リスク管理の考え方
– 長期的視点の重要性

避けるべきこと:
– 盲目的に真似すること(自分の投資目標や状況は異なる)
– タイミングの遅れ(13Fは45日遅れの情報)
– 情報の部分的な理解(全体像を見ずに判断する)

著名投資家の動きは参考になりますが、最終的には自分自身で企業分析を行い、自分の投資哲学に基づいて判断することが大切です。

健康と人生のバランス

最後に、ガイ・スピアの状況は、私たちに重要なことを思い出させてくれます。それは、健康と人生が投資よりも重要 だということです。

投資は人生を豊かにする手段の一つであって、目的ではありません。資産を増やすことは大切ですが、それと同じくらい、あるいはそれ以上に、健康や家族、友人との時間、自分の情熱を追求することも大切です。

ガイ・スピアが自身の健康状態を正直に開示し、投資家への責任を果たした上でファンドを閉鎖したことは、誠実さと人間性の表れです。投資の世界でも、このような人間的な価値観が何より大切だということを、改めて教えてくれます。

まとめ

2025年第4四半期の13Fファイリングは、投資界の重要な転換点を記録しています。

ウォーレン・バフェットの60年にわたる投資キャリアの終幕、セス・クラーマンとビル・アックマンによるAmazonとMetaへの大規模なAI関連投資、そしてマイケル・バーリとガイ・スピアのファンド閉鎖。これらの出来事は、投資界における世代交代と、AI時代への移行を象徴しています。

著名投資家たちの動きを見ると、同じ銘柄に対しても判断が大きく分かれていることがわかります。これは、投資に唯一の正解がなく、それぞれの投資哲学や時間軸、リスク許容度によって最適な判断が異なることを示しています。

13Fファイリングは、私たち個人投資家にとって貴重な学びの機会を提供してくれます。ただし、情報には時間的な遅れがあることや、全体像の一部しか見えないことを理解した上で、参考情報として活用することが大切です。

最終的には、自分自身で企業を分析し、自分の投資哲学に基づいて判断することが、長期的な投資の成功につながるでしょう。そして何より、ガイ・スピアの状況が教えてくれるように、健康と人生のバランスを忘れずに、投資と向き合っていきたいものです。

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